変則シーズンのカギは後半戦の“新戦力” 2軍でチャンス待つ実力者たち

阪神・島田海吏、楽天・釜田佳直、巨人・石川慎吾(左から)【写真:荒川祐史】

7月15日から8月12日まで公式戦は中断

NPBのシーズンが半分を終えようとしている。今後夏場を迎えると、1軍には疲れの見える選手も出てくる。そんな時に2軍で力を蓄えてきた選手と入れ替えることができれば、チームとしての戦力を維持しながら戦うことができる。今季は特に、東京五輪の開催中は公式戦が中断される変則シーズン。後半戦の“新戦力”候補を、2軍成績をもとに探してみた。(数字は24日現在)

投手から見ていこう。楽天の釜田佳直投手は今季イースタン・リーグ1位の防御率2.23、5勝を記録しているものの1軍登板はなし。2012年には高卒新人ながら7勝した実績がある。過去に右肘、右肩の故障を経験しているが、しっかり登板を重ねられている。

ソフトバンクの左腕・大竹耕太郎投手は10試合で6勝1敗1セーブ、防御率2.05と安定した投球を見せている。2018年に早大から育成枠で入団したもののすぐに支配下入りし、19年には5勝。昨年も2軍の投手タイトルを総なめにしたが、1軍では3試合しか登板がなかった。

同じくソフトバンクの31歳、二保旭投手も10試合で4勝1敗、防御率2.78の好成績。昨年は1軍で12試合に先発し4勝を挙げたものの、今季の1軍登板は2試合にとどまっている。

オリックスの変則左腕、齋藤綱記投手はウエスタン・リーグ最多の29試合に投げ防御率1.17。23イニングで31奪三振と結果を残しているが今季はまだ1軍昇格していない。昨季は1軍32試合に登板し、プロ初勝利を挙げている。

トレード期限の1か月延長で新たなチャンスも?

打者ではDeNAの伊藤裕季也内野手が打率こそ.236ながら、7本塁打を放っているパンチ力が魅力だ。新人だった2019年には、1軍のわずか57打席で4本塁打したこともある。

巨人の石川慎吾外野手は、今季2軍での出場こそ19試合と少ないながら打率.392、4本塁打と別格の打撃成績を残した。現在は1軍登録されているが、出場機会が多いとは言えない状況だ。

10年目の日本ハム・松本剛外野手は2軍28試合で打率.293、2本塁打と堅実な成績。2017年には1軍の規定打席に到達し打率.274を残したこともあるが、今季は13試合出場にとどまっている。

俊足好守が売りの阪神・島田海吏外野手は、外野の定位置が塞がっている1軍では今季4試合で打数は0。ただ2軍では46試合で打率.309、10盗塁と打力もアピールできている。

日本野球機構は24日に、今季限りの措置でトレード期限の1か月延長を発表した。例年なら7月31日の期限が8月31日へ伸びる。中には新天地で新たなチャンスをつかむ選手も出てくるかもしれない。(Full-Count編集部)

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