【ボクシング】中谷正義がロマチェンコにTKO負け キャリア最大の強敵に番狂わせならず

中谷正義(帝拳ジム提供)

ボクシングのライト級WBO5位の中谷正義(32=帝拳)が26日(日本時間27日)、米ネバダ州ラスベガスで同級元3団体統一王者のワシル・ロマチェンコ(33=ウクライナ)とのノンタイトル12回戦に臨み、9ラウンド(R)TKOで敗れた。

会場は、1週間前にWBAスーパー&IBF世界バンタム級統一王者の井上尚弥(28=大橋)がマイケル・ダスマリナス(28=フィリピン)に3RでTKO勝利し、世界を震撼させた「ヴァージン・ホテルズ・ラスベガス」。元「パウンド・フォー・パウンド」(体重差がないと仮定した場合のランク)キングを相手に、〝モンスター〟に続く衝撃を期待された。

序盤はリードパンチで距離感を保つ。1Rにはバッティングでロマチェンコが額から流血する場面もあった。しかし徐々に懐に入られ、細かいパンチやカウンターの左ストレートを被弾するなど攻勢を強め始めたロマチェンコに、ジャブや飛び込みにボディー攻撃を合わせるなど必死に対抗する。

そんな中、迎えた5R。クリンチの離れ際に、左フックを当てられダウンを奪われる。これで動きが活発化したロマチェンコに、ノーモーションの左ストレート、サイドに回り込まれての連打など自在の攻撃を加えられ、中谷の顔が腫れ上がっていった。そして9Rに左ストレート2発で動きを止められると、追撃を受けたところでレフェリーが割って入り無念のTKO負けとなった。

東洋太平洋同級王座を11度防衛した中谷は、2019年7月に現4団体統一同級王者のテオフィモ・ロペス(23=米国)に善戦、昨年12月にフェリックス・ベルデホ(28=プエルトリコ)を逆転TKOで下したことで、米国での評価も上昇していたが、キャリア最大の強敵に番狂わせはならなかった。

一方、肩の手術から完全復活を果たしたロマチェンコは「勝てたことがうれしい。中谷は身長も高く、リーチも長かったのでカウンターを当てることを重視した。戦略通りいった」と満足気。昨年10月に敗れたロペスとの再戦に前進した形となった。

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