4勝目を挙げ、ポイントリーダーで前半戦折り返しのクアルタラロ「今は考え方も目標も明確」/MotoGP第9戦決勝

 MotoGP第9戦オランダGPの決勝レースがTT・サーキット・アッセンで行われ、MotoGPクラスで優勝したファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)、マーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)、ジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)が会見に出席。レースを振り返った。
 

■ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)/決勝:優勝

2021年MotoGP第9戦オランダGP ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)

「難しいレースだった。ペッコ(※フランセスコ・バニャイアの愛称)を前にして、オーバーテイクができなかった。彼はラインを締めていて、(バイクには)パワーもあった。6コーナーの立ち上がりではとても速く、僕は何度も12コーナー立ち上がりで抜こうとして、彼のバイクに少し当たってしまった」

「それから、12コーナーのインで抜ける可能性があるとわかった。抜けるとは思わなかったけれど、そこは抜きどころだった。すごく難しかったよ。僕は2度、大きなミスをした。12コーナーを立ち上がって、15コーナーまでバイクが振られた。あと、6コーナーでは傾けすぎてしまって、リヤタイヤのグリップを失うところだった。でも、最も大事なのは今日の結果で、25ポイント獲得したことだ」

「(アッセンは)方向転換でとても重く苦しい典型的なサーキットだ。でも、(腕に)問題はなかった。終盤に、ペッコ、マーべリックとの差が4秒だと確認して、マーべリックはとても速かったから、僕は少しだけペースを上げた。攻めるタイミングとしては正解だった。とても満足しているし、大変なレースだった。僕としては、今日は優勝争いをすることがはっきりとした目標だった。そして、それを成し遂げた」

「(チャンピオンシップについては)簡単ではないけれど、こうしてペースを維持できている。レースが多くても少なくてもね。自分に強さを感じている。昨年はベストなシーズンではなかった。アップダウンがあって、安定していなかった。でも僕はとても多くを学んだ。昨年のシーズン終盤には、チャンピオンシップを戦うためのチャンスがなかったけれど、僕は経験を得た。それは価値のあるものだと思う。今、ピットでも、バイクに乗っていても精神状態はかなりいいと感じている。考え方ははっきりしていて、目標も明確だ」

■マーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)/決勝:2位

2021年MotoGP第9戦オランダGP マーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)

「ファビオが言ったように、僕たちのバイクはオーバーテイクが難しかった。中上(貴晶)の後ろにいて、オーバーテイクできなかった。彼がトラクションを失うまで、その方法がわからなかったんだ。中上がトラクションを失って、オーバーテイクができたんだ。そして、いいペースを刻もうとした」

「僕は状況をよく理解していた。なかなか前に出られず、ファビオが抜け出して、すごくすごく難しいレースになると思った。でも、僕のレース終盤(のペース)は速かった。そして、表彰台を獲得できたんだ」

「優勝できなかったから、がっかりしているわけではないんだ。自分のポテンシャルをすべて発揮できなかったから、がっかりしている。アッセンでは、速く走れるかもしれないと思っていた。僕がしたのは、ただバイクに触れないこと。そして、ただ全力で走っただけだ。ちょっと触れるのも怖いくらいだったよ。たぶんもう少し速く走れたかもしれないけれど、リスクは冒したくなかった。2位は満足だよ」

■ジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)/決勝:3位

2021年MotoGP第9戦オランダGP ジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)

「僕にとっても、スズキにとっても、重要な表彰台になった。この表彰台は、シーズン後半に向けてさらに後押ししてくれるだろうね。このように、このパッケージは、タイトル争いをするのには十分な力がない。さらにバイクに取り組まないといけないし、僕自身もそうだ。でも、レース全体としては満足している」

「ヤマハのふたりがとても速く、すごくいいレベルでバイクを走らせていたので、きっと彼らに接近するのは難しいだろうと思っていた。1周目は、全力を尽くして、冷静にオーバーテイクをしたんだ。もちろん、僕はいつもドゥカティを交わすのに苦労している。たぶん、何度かのオーバーテイクでは限界で、彼らに接近した。当たってはいないけれど、ブロックして交わしたから、申し訳なかったと思う」

「ジャック(・ミラー)は怒っているだろう。何度かブロックしてオーバーテイクしたからね……。そういうオーバーテイクは好きじゃないけれど、彼はストレートで速く、ブレーキングはハードだった。すごく(抜くのが)難しかったんだ」

「(ホールショット・デバイス)は取り組まなければならないところだ。これが大きな差を生むサーキットは多い。そして、(ホールショット・デバイスがあれば)スタートでもほかのライダーと同じ状況で走ることができる。これが一番やらないといけないところだ。それからバイクの細かいところに取り組んでいく。僕としては、チームとともに継続して理解していかないといけない」

「予選ではさらに強く、いいラップタイムを出す必要がある。ペースはいつも悪くないんだけど、予選ではまるで獣のように攻めないといけないんだよ。難しいとは思うけれど、解決策を見つけていくだろう」

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