東京都議会議員選挙(7月4日投開票)は27日がラストサンデーとなった。第1党奪還を狙う自民党は新型コロナウイルス感染症対策の最前線に立つ加藤勝信官房長官や西村康稔経済再生担当相を含む閣僚レベルを惜しげもなく投入。なりふり構わぬ姿勢に他党からは疑問の声が上がっている。
都内中部にある吉祥寺でマイクを握った加藤氏は「今、最大の懸念はコロナ対応です」とし、「多くの皆さんのご協力をいただいて、すべての市町村において7月末までには高齢者のワクチン接種が終わる見通しとなりました」と実績を強調して、自民党支持を訴えた。
コロナ担当相でもある西村氏は三鷹駅前で「ワクチン接種が進むまで、みんなで旅行に行ったり、大勢で騒いだりは避けていただかなければなりません。今は我慢です。できれば最後の我慢にしたい。もう少し我慢をお願いしたい」と自粛を要請した。
どちらの演説も聴衆はギュウギュウ詰めではなかったが、それでも人と人の距離は近くなっていた。時に「そうだ!」と掛け声をする支持者もいた。
この日、西村氏はNHK番組にも出演していて、まん延防止等重点措置の地域に対し、「緊急事態宣言を出すこともちゅうちょなく機動的にやるべきだ」と発言。ツイッターでも「密集密閉密接の一つの『密』でも感染のリスクがあります。『ゼロ密』を心がけて行動お願いします」と指摘していた。
つまり、今が大事な時期なのだ。他党の関係者は「加藤官房長官も西村大臣も普段、国民に自粛を訴えている人。彼らが『密』になりかねない街頭演説をやるというのは、言っていることとやっていることが違う。自民党のスタンスに疑問を持つ人が出てくるのではないか」とネガティブな見方をしている。
「ゼロ密」とは一体…。