王者ソフトバンクは「過渡期」に突入か 加藤伸一氏が指摘した苦戦の原因

試合後に緊急コーチ会議を開いた工藤監督。苦境打開なるか

ついに貯金がなくなった。ソフトバンクが28日の西武戦(京セラドーム)に2―5で敗戦。4連敗で首位・オリックスと楽天に今季最大の3・5ゲームをつけられた。ついには西武、ロッテにも勝率5割で並ばれた。

試合後、工藤監督は1時間にも及ぶ緊急コーチミーティングを敢行。「まずは自分たちが事を起こさなきゃいけない。決して後ろ向きではなく、ここからやり直しということです。前向きにとらえてもらえれば」と意図を説明した。

なぜ王者が苦戦しているのか。深刻なのが打線だ。4連敗中は合計7得点。6月の22試合のうち、実に13試合が2点以下だ。本紙評論家の加藤伸一氏は「キューバの両助っ人を欠いていることもありますが、チームとして過渡期ということです」と説明。次のように続けた。

「それだけ勝っている中で育成を平行させるのは難しいということです。V9の巨人も翌年は最下位ですよ。勝たなければいけないチームで若手がポッと出ることは難しいし、全盛期だった主力の選手も年齢を重ねていきます。それに今はシーズン後にCSもあり、毎年最後まで激しく戦うソフトバンクの選手は早くガタも来ます。V4の間に次の準備もできていればそれは理想でしたが」。

もっとも、加藤氏はそれでもソフトバンクの優位は揺るがないと付け加えた。「今が底ですから。千賀に、グラシアル、モイネロ、森…。どれだけ上積みがあるか。今年は五輪の関係で1か月近い休みがあることも大きいです。投手陣に関しては現状でも抜けてますし、野手も過渡期とは言いましたが勝ちを知っている選手たちが揃っています。打線は水物。最後は昨季のような連勝で抜けてくると思いますよ」。

5球団がAクラスとなったパ・リーグ。王者の逆襲はなるか。

© 株式会社東京スポーツ新聞社