地元住民も話したがらない豪州「呪われた少女人形」 不慮の事故も頻発

マングローブ覆い茂る中にぶら下がっているという

オーストラリア北東岸のケアンズから南南東に約200キロ。海岸沿いにある人口400人余りの田舎町ルシンダで、“呪われた少女人形”が地元民を怖がらせている。

その人形は、マングローブの湿地帯近くにある木につるされたブランコに乗っている。赤い長袖の上にカラフルなワンピースを着て、麦わら帽子をかぶり、髪はポニーテール。グレーのスパッツ、黒い運動靴をはいていて、一見すると人間の女の子のようだ。

ただ地元民は誰も近づかない。悪運をもたらすと信じているからだ。英タブロイド紙「デーリーメール」のオーストラリア版によると「この人形のせいかも!」と地元民が怖がっている不気味な出来事は、ボートのモーター故障や釣り具の紛失などだという。

「みんなその人形のことは知っているようだが、誰もそれについて本当に話したがらない」。こう現地紙「タウンズビル・ブレティン」に語るのは、地元のニック・ダメット議員。聞けば、人形がどこから来てどういう経緯でブランコに座っているのか、みんな知らないという。

ほとんどの地元住民が存在は知っているが、人形に近づくことさえ用心深くなっている。人形に「こんにちは」とちょっとあいさつしただけで、災いが訪れるとか。

「人形に近づきすぎて、ボートに乗って釣りをしている最中、不幸な目に遭ったという人々の話をいくつか聞いた。単なる偶発的出来事か、現代の愚かな迷信かもしれないが、私は絶対、この問題を適当に片付けたくはない」

こう意気込むダメット議員だが、人形について地元民に質問すると、それがまたナゾを呼び、その答えは誰も知らない。報道によると「あの人形は地元の“愛らしい”カップルが、町に彩りを加えたいと願って作った」という地元事業主の証言があるが、ダメット議員は「少女人形の由来は地元のミステリーだった。だから解明には特に慎重にならないと」と警告している。

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