巨人・原監督 またも “カウント途中交代” 成功 評論家からは「原マジック」の声

ベンチで鋭く眼光を光らせる巨人・原監督(右)

巨人・原辰徳監督(62)が29日の広島戦(東京ドーム)で、またしても〝名采配〟を繰り出した。

4―6で2点を追う5回の広島の攻撃は、無死満塁で打席に代打・長野。この時点で巨人ベンチは動かず、2番手左腕の戸根をそのまま続投させた。

しかし、戸根が長野を1ボール2ストライクと追い込んだところで、原監督は立ち上がり「ピッチャー・畠」をコール。カウント途中の投手交代はあまり例を見ない采配だが、原監督は20日の阪神戦(甲子園)でも実行し、成功したばかり。代わった畠は長野を空振り三振に打ち取り、ベンチの期待に応えた。

どんな意図があるのか。本紙評論家の伊勢孝夫氏は「追い込むまでに打たれる可能性だってあるわけやし、普通なら打席の最初から交代やろな。ただ、ベンチで嫌な予感がしたのかもしれない。そこで迷わず交代を決断できたのは、さすが原くんといったところで、そうした采配は三原脩さんがよくやっていた。原くんも〝三原マジック〟を意識したのかどうかはわからないが…」と、西鉄や近鉄などで「魔術師」という異名をとった三原脩監督を引き合いに出した。

また、別の狙いも考えられるという。

「カウント途中の投手交代は、投げるほうはそうでもないが、打者としては集中力もそがれるし、タイミングや狙い球も変わってくるから嫌なもの。そうした打者心理を根拠にした選手起用なのかもしれん。それにしても原くんは、普通の監督がやらないことをやるよね。ほかの人にはなかなかできない〝原マジック〟ということでいいんじゃないでしょうか」(伊勢氏)

しかし、長野を打ち取った畠は、その後に連打を浴びて逆転を許し、結果的には継投失敗となってしまった。

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