【東京五輪】聖火リレー23区内で公道走行できるのか 感染者数の最増加で高まる危機感

聖火リレーもフィナーレを迎えつつあるが…

東京五輪の聖火リレーが大詰めを迎える中、ここでも新型コロナウイルスの〝壁〟が立ちはだかっている。

3月25日に福島県を出発した聖火リレーは現在、神奈川県で実施中(29日時点)。しかし、公道走行が中止となり、トーチキスで火をつなぐ点火セレモニーが無観客で行われている。聖火リレーの運営に携わってきた関係者は「感染状況が一日一日変わったりするので、何とも言えないところはある。これはこれで一人ひとりが深い思いを持って参加してくれているので、意味のあることなのかな」と複雑な心境を口にした。

今後、聖火リレーは千葉県、茨城県、埼玉県を経て東京都に入る。東京都でも初日の7月9日から同16日までの8日間は島しょ部以外の公道走行を中止することを発表。同関係者は「東京が全部点火セレモニーになったらどうなるんだろうな」と心配顔だ。

現時点では23区内に入る同17日以降は公道での実施が予定されているが、まん延防止等重点措置の延長や緊急事態宣言の再発令になれば、同23日の開会式当日まで続く後半日程にも影響が出る可能性がある。前出関係者は「本当に厳しく制限した状況で、人の集まらないような形で実施することもあり得るのでは。少なくとも(開会式会場の)国立競技場は走らないとしょうがないですが…」と不安を漏らした。

都側は7月17日以降について、感染状況を踏まえて早期に判断するとの方針を示しているが、29日は東京で新たに476人がコロナに感染。先週の火曜日より41人増え、前の週の同じ曜日を10日連続で上回った。「第5波」の本格的な到来も危惧される中、聖火は無事に国立競技場まで到着できるのだろうか。

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