井上尚弥がカシメロに三くだり半「お疲れでした」 ドーピング書類遅延でドネア戦中止

井上尚弥

WBAスーパー&IBF世界バンタム級統一王者の井上尚弥(28=大橋)の同級4団体統一路線が、軌道修正を強いられた。

WBC世界同級王者のノニト・ドネア(38)が自身のSNSで、8月14日(日本時間15日)にカリフォルニア州カーソンで開催予定だったWBO世界同級王者ジョンリール・カシメロ(31=ともにフィリピン)との統一戦中止を発表。理由はドネア側が求めていたカシメロ陣営のVADA(ボランティア・アンチドーピング協会)への書類提出が5日間遅れたこととした。

さらに米メディア「ボクシングシーン・コム」は、カシメロがレイチェル夫人などドネアの家族を中傷したとし「このプロらしくない行動は無視できない。一線を越えた行為は許されない」と、ドネアが怒り心頭であることを伝えた。

このキャンセルは、勝者と2本ずつのベルトを懸け合っての4団体統一戦をもくろんでいた井上に大きな影響を与える。プロモートするトップランク社のボブ・アラムCEO(89)も来年の早い時期での最終決戦構想を明かしていたが白紙となった。

ドネアは井上との再戦に意欲的であるため、交渉次第ではこのまま次戦にも激突という可能性もある。ただカシメロの場合は、ドネアとの統一戦の前はもともとWBA正規王者ギジェルモ・リゴンドー(40=キューバ)戦が、決定していたためまさかの〝元サヤ〟に戻る流れもあり得る。そうなれば、井上サイドは改めて勝者陣営との交渉となればいいが、ここにきてリゴンドーがSNSでドネアに再戦要求を出すなど様相が一気に混とんとしてきた。

井上は今回の中止発表を受けて自身のSNSで「カシメロ君はもう大口を叩く事はないでしょう。ドーピング検査を回避する奴に資格などねぇ。お疲れでした」とカシメロを見限るコメントをしているが、4団体統一は無事達成されるのか。今後の行方に注目が集まる。

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