「反動は必ず来る」偉業達成の西武・平良に心配される〝報酬の対価〟

プロ野球新記録を達成した西武・平良

西武・平良海馬投手(21)が1日のソフトバンク戦(ペイペイ)で藤川超えだ。1―0の9回に2番手で登板し1回打者4人を9球で2安打無失点に抑え開幕から続く連続無失点を「39試合」に更新。2006年に阪神・藤川球児が作ったプロ野球記録を15年ぶりに塗り替えた。

平良はヒーローインタビューで「結構危なかったんですけど、よかったです。無失点で帰って来れるよう、いつもと同じ気持ちで行きました。(記録達成の要因は)運です。応援してくれた全ての人に感謝したいです」とやや緊張気味に答えた。

そんな平良には、周囲からは当然のように登板過多を心配する声が聞こえてくる。

ここまでチームの76試合中、半分以上の39試合に登板し記録のプレッシャーがかかる中で1勝11セーブ、21ホールドをマークしてきた無失点右腕。本来の守護神・増田の離脱もあり、実質〝ブルペンの一本柱〟となっている平良への依存度は増すばかりだ。

プロ野球記録更新までの過程ではやはり疲労の影響からフォームのバランスを崩し、ブルペンから万全の準備ができず、走者を得点圏に背負い綱渡りで無失点に切り抜ける登板も多々あった。

平良はその度に「得点圏に走者がいる時は〝打たれたら点が入る〟と自分にスイッチを入れて投げています」と身長173センチ、体重100キロのボディーにムチを打って奮闘。ストレートは見せ球にスライダー、カットボール、チェンジアップの制球力で急場をしのいできたものだった。

チーム関係者は「本人は言わないでしょうが、毎回チームの勝敗を背負った場面で週に3~4試合も登板しているわけだから疲れていないわけはない。(シーズン81試合登板を達成した)2019年の平井もそうでしたけど、記録という目標がある時はある程度の無理はきいてしまう。ただ、その反動は必ず来る。平良もその時期が問題になってくるでしょう」と今後訪れる〝報酬の対価〟を心配している。

自らが超一流の守護神だったブルペン担当の豊田投手コーチによる細やかなケアと、原則2連投以上はさせない運用方針の徹底で不安は軽減されるものの、五輪ブレーク後の後半戦は「投げない日の早上がり」など特別な配慮も必要となってくるかもしれない。

例えば、チーム状況や試合展開で3連投をした翌日などは試合途中でブルペンにさえ行かずに帰宅が許されるような特別措置のことだ。

投げなくてもブルペンに入っていれば、どうしても試合展開を追ってしまい気が休まらない。また、戦闘モードでない投手がブルペンにいるだけで他のリリーバーに悪影響を与えてしまう恐れもある。

実働3年で日本球界を代表するリリーバーに成長した球界の宝をつぶさずにさらに高いステージへ押し上げるためにも、きっちりしたオンとオフの切り替えは重要。今後はいかに平良に質のいい休養を与えられるかが、チームの逆転Vを含めた西武の課題となってくる。

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