阪神トレード加入の二保が梅野を助ける? 再注目される〝超高速投法〟

阪神・梅野

虎が動いた。阪神は11年目の中谷将大外野手(28)とソフトバンク・二保旭投手(31)のトレードが成立したと2日、発表した。

矢野燿大監督(52)は「まずはオールスターまでは先発で。ヤクルト戦に先発させようと思っている」と早速6日からの神宮3連戦での先発起用を明言。背番号は「34」に決まった。

先発、中継ぎで通算109試合登板の右腕。十分な実績とともに阪神が期待を寄せているのが武器である「スーパークイック投法」だ。44試合に登板して鷹リリーフ陣の中枢を担った2015年には、走者を置いた場面だけでなく、打者のタイミングを外す技術として使い、一部で話題となった。

プロ野球投手のクイック投法は平均1・2秒台で早い部類とされるが、二保は1・1秒以下という「超高速投法」。同じソフトバンクでセットアッパーを務めた五十嵐亮太もクイックの名手だったが、吉井理人投手コーチ(当時=現ロッテ投手コーチ)は「二保も1秒前後で投げる。負けてないで」と評価していた。

チームには「バズーカ」の異名で鳴らす強肩正捕手の梅野がいる。ただ今季の盗塁阻止率は2割台と低調。チームとしても36回盗塁を仕掛けられて阻止は10回にとどまっている。クイック名人の二保が加わったことで、バッテリーの意識を改めて高める機会ともなりそうだ。

阪神は2日の広島戦(マツダ)に1―7で敗れ、2位・巨人についに1・5差まで肉薄された。このまま簡単に首位を明け渡すわけにはいかない。二保の加入をきっかけに勢いを取り戻したいところだ。

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