伝説の音楽プロデューサー・月光恵亮氏 個展で見せるデジタルアートの深み

個展を開く月光恵亮氏

伝説の音楽プロデューサーで、デジタルアーティスト「Case―K Moonshine」として活動する月光恵亮氏が、個展「ROCK' ROLL CIRCUS(ロックンロール・サーカス)」を東京・渋谷PARCOで5~11日に開催する。

iPad Proで描いたデジタルアートを印刷し、アクリル絵の具、スプレーなどでアナログ加工した作品が中心。キャンバスに描いた絵、ギターペインティングも展示される。

月光氏は1980年代、ラウドネスやブリザードなどメタルバンドのアルバムジャケットで、自ら原案をデッサンしてアートディレクションに携わった。デジタルアーティストとしての始動は3年前で、約700点をSNSで公開している。

月光氏は「誰でもアイデアがあれば、その人の個性で描けます。絵の具の使い方、筆の使い方というのはそれなりに訓練しないと使えないけど、アップルペン1個でいろいろなことができる」とデジタルアートの魅力を語る。絵に写真を組み合わせる独自の手法も月光氏の作品の魅力だ。

「リンゴの絵を描いていた時に、同居するギタリストが昔使っていたノコギリが出てきたので、リアルなデジタルの絵にリアルなノコギリをはめ込んで加工しました」

今回展示されたデジタルアートは、世界的に注目を集める次世代NFTプラットフォームであるXANALIA(ザナリア)と組み、NFTとしても発行される。ノンファンジブルトークン(非代替性トークン)の略であるNFTは、仮想通貨の仕組みが偽造できない鑑定書・所有証明書の役割を果たす。絵が高値で転売されると著作権者に印税が入らないが、このシステムなら著作権者にも譲渡人にも収入が入る。

また、この展覧会はNOBORDER.z(ノーボーダーズ)社の提供するバーチャル仮想空間XANA(ザナ)でバーチャル展覧会としても開催されるなど、革新的な挑戦も行う。

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