医療関係者の五輪反対デモ 地方でも収まらず

”反五輪”の流れ止まらず

東京五輪開幕まで残り3週間を切っても、中止を求める声が鳴りやまない。東京を中心に新型コロナウイルスが再拡大する中、地方からも不満の声が相次いでいる。

京都医療労働組合連合会(京都医労連)は京都市内で3、4日の日程でスタンディングデモを開催。すでに愛知県医療介護福祉労働組合連合会(愛知県医労連)は「東京五輪への看護師派遣」に反対の意思を示し、ツイッター上での署名活動や名古屋市内でスタンディングデモなどを実施しているが、これに続く動きとなった。

本紙の取材に応じた京都医労連の担当者は「僕らも同じ思いがあった。京都医労連としては、声明くらいしか出していなかったが『外に出てスタンディングの形でもいいから、やるべきではないか』という話になった」と経緯を説明した。

京都府内でもピーク時には、1日に約150人以上がコロナに感染したこともあった。同担当者は「京都でも自宅で亡くなったり、療養所で亡くなっている人がいる。五輪にお金をかけたり、看護師を派遣するよりも、ちゃんと医療体制を整えてほしい」と声を大にする。

その上で、五輪の強行開催による弊害を指摘。「地方の看護師たちも五輪のために要請されて行くことになる。そうなったら、地域医療は誰が守るのって話になる。地方の人たちにとっても切実な問題だ。医療が逼迫しているから、今五輪をするべきではない。延期や中止をする決断を下すべきではないか」と訴えた。

京都医労連のデモ活動を受けて、愛知県医労連も同日に名古屋市内でデモを開催予定。コロナの「第5波」への懸念が高まっているだけに、同様の動きはまだまだ続きそうだ。

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