大谷が「SHO TIME」 29、30号2打席連発 9回は二盗から激走でサヨナラ生還

本塁へ激走しサヨナラのホームとなったエンゼルス・大谷(ロイター=USA TODAY)

エンゼルスの大谷翔平投手(26)は2日(日本時間3日)に本拠地アナハイムでのオリオールズ戦に「2番・DH」で出場し、3回に29号を右翼席、4回に30号逆転2ランを左翼席に放ち、4打数2安打3打点、3得点1盗塁だった。打率2割8分。9回に四球で出塁すると二盗に成功し、サヨナラのホームを踏んだ。チームは8―7でサヨナラ勝ちして2連勝。

自らのバットで祝砲を2発打ち上げた。一発目は2―6の3回先頭だ。この日、メジャー4年目でア・リーグの6月の月間MVP野手部門を初選出された。ファンがW快挙を大歓声でたたえた。その余韻が残る中、一振りで決めた。相手先発は左腕アキンの初球、内角高めの91・9マイル(約148キロ)の直球を豪快にフルスイング。快音を発した瞬間、エンゼル・スタジアムは揺れた。角度30度で打ち出された104・5マイル(約168キロ)のライナーは右翼席に飛び込んだ。

飛距離416フィート(約127メートル)の29号ソロはやり返した一発だった。初回一死無走者で初球、91・8マイル(約148キロ)の内角高めのボール球を振っていったが、力負けして詰まった二飛に倒れていた。大谷はホームインすると珍しく手を叩いて喜んだ。

2発目も大谷らしい左方向への一発だった。5―6の4回一死一塁。マウンドは2番手の右腕テート。カウント2―1からの4球目、ほぼ真ん中95・9マイル(約154キロ)のシンカーを左方向へバットをはね上げた。角度28度で打ち上げた111・1マイル(約179キロ)の弾丸ライナーは左翼席に飛び込んだ。飛距離400フィート(約122メートル)の豪快弾にファンは再び、お祭り騒ぎだ。

1試合は2発は今季3度目で通算6度目だ。メジャー最速で30号に到達した。日本人選手の30本塁打は2004年の松井秀喜(ヤンキース)以来、2人目。その年にマークした日本人選手最多の31発にあと1本に迫った。この日、27号を放ったブルージェイズのゲレロとの差を3本に広げた。

7―7の6回二死無走者は4番手の左腕スコットと対戦。5球目を打って二ゴロだった。

最後は足で見せた。9回一死無走者は6番手の左腕フライが逃げの投球で歩かせると球場は大ブーイングに包まれた。続くレンドンの3球目に二盗に成功したが、空振りしたバットは捕手に当たったため、認められなかった。しかし、4番ウォルシュの初球にスタートを切り、今度は楽々セーフ。今季12個目で2019年に並び自己タイだ。ウオルシュが直後の2球目をライナーで右前に。大谷は二塁から本塁に一気に本塁へ突入。捕手のタッチをかいくぐり、サヨナラのホームを踏んだ。バットに快足、まさに「SHO TIME」だ。
9回に一挙7点を奪って大逆転勝利を挙げた6月30日(同1日)の敵地ヤンキース戦から2試合連続の劇勝に貢献した。

試合後、地元テレビ局のインタビューに大谷は「前回はみんなが取り返してくれたので、今日は自分で取り返したたかった。ファンの人がいっぱい(球場に)入って気分よく打席に立てた。そのおかげかな」と満面の笑みで応えた。月は替わっても大谷の勢いは止まらない。

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