【陸上】合宿で強化図る〝リレー侍〟 感染者が出たらどうなる?

桐生祥秀

〝脱落者〟を出すわけにはいかない――。陸上の東京五輪代表が決定し、選手らは開幕まで3週間を切った大舞台に向けて最終調整に入る。

注目の男子400メートルリレー代表は、100メートル代表3人に加え、桐生祥秀(25=日本生命)とデーデー・ブルーノ(21=東海大)が選出された。

また、リレー代表は個人種目の代表選手が出場できることから、日本陸連の山崎一彦トラック&フィールドディレクター(50)が「戦略上は100、200の選手が出るということになる」と話したように、サニブラウン・ハキーム(22=タンブルウィードTC)ら200メートル代表の3人も本番で走る可能性がある。気になるメンバー起用や走順は、今後の合宿で決めていくという。

そんな中、陸連は代表選手の新型コロナウイルスワクチン接種について、推奨はするものの、あくまで選手の意向を尊重する方針。というのも、接種後の副反応が報告されており、日本選手権後に2回接種する場合、2回目のタイミングが本番直前になる可能性が高い。そうしたことを踏まえ、1回のみの接種やそもそも接種しないことも選択肢に入れているというわけだ。

一方、陸上関係者は「リレーメンバーから感染者が出たら、(五輪に)出場できなくなるのでは」と指摘する。これから合宿や本番でチームとして行動する以上、クラスター発生のリスクもあり、1人の〝脱落者〟も許されない。

悲願の金メダルへ真価が問われる〝リレー侍〟。コロナで棄権だけは避けたいところだ。

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