苦渋の決断だ。東京五輪出場が内定していた巨人・菅野智之投手(31)が3日、侍ジャパンに辞退することを伝えた。巨人も正式に辞退を発表した。
初の五輪出場、しかも母国・日本で夢舞台に立つことはかなわなかった。今季の菅野は本調子になく、18日ぶりに一軍復帰した1日の広島戦(東京ドーム)は3回途中4失点KO。2日に今季4度目の抹消となり、再調整に入っていた。侍ジャパンの選手登録期限は5日で、タイムリミットが迫っていた。
そして、この日球団が発表した辞退の理由は「コンディション不良」で、菅野は「一人の野球人として、オリンピックのマウンドで投げることは大きな憧れであり、目標の一つでした。辞退することになり、本当に残念でなりません」とのコメントを寄せた。
そして「今シーズン調子が上がってこない中でも選んでくださった稲葉監督、コーチの皆さんには本当に感謝しています」としつつ「その期待に応えることができないこと、そして応援してくださったファンの方にマウンドへ上がる姿を見せることができないことに申し訳ない気持ちでいっぱいです」と無念さをにじませた。
戦力としてチームを金メダル獲得に導くことはできない。だが、日の丸を背負えずともやれることはある。菅野は最後にこう結んだ。
「日本代表の仲間たちとともに戦うことはできませんが、金メダルを取ることを願って精いっぱい応援します」
五輪出場は夢となったが、巨人のリーグ3連覇、日本一奪回への使命が残されている。まずはコンディションを整えていく。