小泉進次郎氏の演説を「薄っぺらい」 V系バンド候補がブッタ斬り

小泉環境相の街頭演説を聞いた井田氏(左)と矢島氏氏

これが若者の受け止めなのか――。都議選(4日投開票)の豊島区選挙区に嵐の党から立候補しているビジュアル系バンド「ジャックケイパー」のメンバーで、「李九」こと井田恵介氏(29)が選挙最終日の3日、小泉進次郎環境相(40)と初遭遇した。

井田氏と「YG」こと矢島秀平氏(29)は、これまでバンドマンとして活動し、政治とは無縁の世界にいたが、都議選と次期衆院選に「若者の声を代弁したい」と一念発起し、政治の世界にチャレンジしている。

池袋駅前で街頭演説の準備をしていたところに自民党候補の応援で現れたのが進次郎氏。2人は「勉強したい」と進次郎氏の演説会場に足を運んだ。

大聴衆を前に進次郎氏は熱海の土石流や千葉・八街でのトラックによる児童5人死傷事故の時事ネタから地方議員の大事さを訴えた。およそ10分弱の演説を聴き終えた2人は、参考になったかと思いきや、「薄っぺらいですね」とガックリした様子だ。

井田氏は「1日の降水で土砂崩れになった例を進次郎氏は知らないと言っていたが、絶対今までにあるでしょ。大丈夫ですかね。環境大臣」と斬れば、矢島氏も「環境と街づくりと教育を語っていたが、それ以前に国民がもっと知りたい、注目すべきことがある。それらをしゃべってこそ誠意が見えるのに、分かっているけど言えないのか」と続けた。

これまで進次郎氏の演説は聴衆の心をわしづかみにする〝神演説〟ともてはやされたこともあったが、〝ポエマー〟との辛辣な意見が出てからは、その評価もガタ落ちしている。

「オリンピックやコロナのことなど、肝心なことは避けていて、今どうすべきか、一番聞きたかった話は何も聞けなかった。土砂崩れがあって、大事な時にわざわざ来てまで話すことだったのか」と井田氏。

これが政治素人の率直な若者の意見とすれば、進次郎氏には耳の痛い話かもしれない。

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