ダービッド・シューマッハーが初優勝。岩佐歩夢は順位を15上げるも14位【FIA-F3第3戦オーストリア レース2】

 現地時間7月3日(土)、2021年FIA-F3第3戦オーストリアのレース2がレッドブルリンクで開催され、ダービッド・シューマッハー(トライデント)が初優勝。岩佐歩夢(ハイテックGP)は15位だった。

 レース2のスターティンググリッドはレース1のトップ12がリバースグリッドとなり、シューマッハーがポールポジション。2番手にロマン・スタネ(ハイテックGP)、3番手はファン・マヌエル・コレア(ARTグランプリ)。4番手はカイレン・フレデリック(カーリン)、岩佐は29番グリッド発進となった。

 天候は快晴、気温25.8度、路面温度は43.9度でドライコンディションでタイヤ交換義務はなし。日本時間の24時45分にフォーメーションラップが開始され、24周の戦いがスタートした。

 シューマッハーが素晴らしいスタートで後続を引き離すホールショットを決め、またジャック・クロフォード(ハイテックGP)が順位をふたつ上げて3番手に浮上する。

 レース1に引き続きバトルが連続するが、ローガン・サージェント(チャロウズ・レーシング・システム)とティージミン・バン・デル・ヘルム(MPモータースポーツ)がターン1を抜けた先で接触。2台はもつれるようにコースオフしウォールにヒット。マシンを破損させ、ふたりともリタイアとなり、さらにマシン回収のためセーフティカー(SC)が導入された。

 レースは5周目から再開され、シューマッハー、スタネ、クロフォード、コレアの順に加速を開始。岩佐はこの時点で25番手だ。

 シューマッハーはファステストラップを記録しながら後続を引き離しにかかる。7周目には2番手スタネと1秒の差をつけDRSを使用させずに周回。一方のスタネは3番手のクロフォードを牽制しながらのレースとなる。

 スタネとクロフォードは、ここから3周お互い順位を入れ替えながらのデッドヒートを演じる。ただスタネのペースが芳しくないのか9周目にクロフォードが2番手を奪取。トップのシューマッハーよりも速いペースで周回していく。

 その直後、クロフォードに不運が襲い掛かる。10周目にトラブルでスローダウンし戦線離脱。アクシデントは次の周にも連鎖し、3番手を争っていたコレアとフレデリックが交錯し揃ってリタイア。マシン回収のため12周目にバーチャルセーフティカー(VSC)が導入された。

 VSCは1周で解除され、シューマッハー、スタネ、ビクトール・マルタンス(MPモータースポーツ)、ジョニー・エドガー(カーリン)のオーダーで13周目からレース再開。岩佐は17番手まで順位を上げている。

 VSC解除後もバトルが勃発。2番手のスタネと3番手マルタンスがテール・トゥ・ノーズで周回。15周目のターン4でマルタンスが片輪をコース外側に落としながらインに飛び込み2番手をもぎ取った。

 抜かれたスタネはマルタンスの後方でチャンスを狙い、その後ろに、実に10台以上のマシンがそれぞれ0.5秒を切る間隔で走行することに。首位を走るシューマッハーはこのタイミングでギャップを築き、2番手マルタンスと3.1秒差をつけた。

 少しペースの落ちたスタネは、今季からメルセデスの育成ドライバーとなったフレデリック・ベスティ(ARTグランプリ)に交わされ4番手に後退。後方でも目まぐるしく順位が入れ替わる。

 20周目、エンツォ・フィッティパルディ(チャロウズ・レーシング・システム)と接触したカイオ・コレ(MPモータースポーツ)がコースを外れグラベルに。これで27番手スタートだったアーサー・ルクレール(プレマ・レーシング)が一気にポイント圏内に食い込む8番手となり、この時点で17台をパス。岩佐も15番手まで順位をあげ、最後まで猛プッシュが続く。

 トップのシューマッハーと2秒差に近づいていた2番手マルタンスだったが、23周目のホームストレートで突如スローダウン。そのままマシンをストップさせ無念のレース離脱となった。

 ファイナルラップまで順位が変動する、猫の目のようなレースを制したのはシューマッハーで、今季初優勝。2位にベスティが入り、3位はレース1で優勝したデニス・ハウガー(プレマ・レーシング)が獲得。岩佐は最終的にポジションを15上げて14位フィニッシュとなっている。

 レース3は日本時間7月4日の18時05分からスタートする。

■FIA-F3第3戦オーストリア レース2 暫定リザルト

Pos. No. Driver Team Time/Gap

1 6 D.シューマッハー トライデント 24Laps

2 7 F.ベスティ ARTグランプリ 2.009

3 1 D.ハウガー プレマ・レーシング 2.536

4 12 R.スタネ ハイテックGP 3.404

5 25 J.エドガー カーリン 5.108

6 2 A.ルクレール プレマ・レーシング 5.816

7 4 J.ドゥーハン トライデント 6.641

8 30 E.フィッティパルディ チャロウズ・レーシング・システム 6.995

9 3 O.コルドウェル プレマ・レーシング 7.377

10 27 J.ホガード イェンツァー・モータースポーツ 8.272

11 22 A.コルデール カンポス・レーシング 9.720

12 14 M.ナニーニ HWAレースラボ 11.253

13 5 C.ノバラック トライデント 11.501

14 11 岩佐歩夢 ハイテックGP 12.576

15 26 C.ウィリアムズ イェンツァー・モータースポーツ 13.191

16 18 C.コレ MPモータースポーツ 14.025

17 23 I.コーエン カーリン 17.776

18 15 O.ラスムッセン HWAレースラボ 18.396

19 16 R.ヴィラゴメス HWAレースラボ 19.636

20 21 L.コロンボ カンポス・レーシング 21.231

21 20 L.トーチ カンポス・レーシング 23.624

22 28 F.ウグラン イェンツァー・モータースポーツ 24.187

23 31 R.デ・ジェルス チャロウズ・レーシング・システム 24.462

24 9 J.マヌエル-コレア ARTグランプリ 29.078

25 8 A.スモリヤー ARTグランプリ 1’15.296

26 17 V.マルタンス MPモータースポーツ 2Laps

— 24 K.フレデリック カーリン DNF

— 10 J.クロフォード ハイテックGP DNF

— 19 T.バン・デル・ヘルム MPモータースポーツ DNF

— 29 L.サージェント チャロウズ・レーシング・システム DNF

© 株式会社三栄