岩野勇三彫刻展が開幕 9月20日まで 初日に作品鑑賞会 小林古径記念美術館

 上越市本城町の小林古径記念美術館(高田城址公園内)で3日、企画展「生誕90年岩野勇三彫刻展―人間へのまなざし―」が始まった。9月20日まで。初日に学芸員による解説付きの作品鑑賞会が行われた。

 同企画展では同市出身の彫刻家、岩野勇三(1931~87年)の作品を制作年代順に3部構成で展示している。

 鑑賞会は約10人が参加。学芸員の市川高子さんの解説を聞きながら、作品を見た。市川さんは「具象作品だが、人間性や生きてきた時間さえも作品に込めるのがポリシー」と岩野の作品への哲学を紹介。作品ごとの注目点や鑑賞のこつなどを語った。

初日の作品鑑賞会の様子。作品ごとの注目点などを解説した

 後半はブロンズ像に触って鑑賞。十日町市から訪れた男性は「骨格と、その上に付いている肉を感じる」と、見るだけでは分からない表現の妙を感じ取っていた。同日の鑑賞会限定の企画で、通常時は作品に触れることはできない。

 作品鑑賞会は8月14日にも実施。また、高田城址公園内のブロンズ像を清掃、鑑賞するイベントや、小学生を対象とした彫刻体験など、会期中にさまざまなイベントを実施する。問い合わせは同美術館(電025・523・8680)へ。

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