【FMW―E】大仁田が〝キック界のドン・ファン〟皇治に邪道エール「お前はもう1回、格闘界の大悪党になれる」

「地獄のデスマッチ」を制し観客と盛り上がる大仁田

何をへこんどるんじゃ! 邪道・大仁田厚(63)が4日に〝聖地〟の神奈川・鶴見青果市場で新団体「FMW―E」を旗揚げした。6発の大爆発で白煙が上がる中、「地獄のデスマッチ」を制して自らの新たな船出を祝福。衝撃シーン連発で警察と消防が駆けつける騒ぎもあったが、それはそれ。元気すぎる邪道はさらにジャンルを飛び越え「ずっと気になっていた」という〝キック界のドン・ファン〟こと皇治(32)に激アツメッセージを送った。

大仁田はリッキー・フジ、藤田ミノルと組んでメインの「有刺鉄線電流爆破+バリケードマット地雷+電流爆破バット+電流爆破テーブル」と、手に触れるものがほぼ爆発する「地獄のデスマッチ」に出陣し、アブドーラ小林、宮本裕向、怨霊組と対戦した。

試合は計6度の爆発が発生する大乱戦だ。序盤から電流爆破バットでサンドイッチにされた大仁田だったが、小林をDDTの要領でエプロンから場外に転落させて地雷のエジキに。大量の白煙が試合終了まで発生し視界が悪化した上、爆音が鶴見の街に鳴り響いて近隣住民が通報し、警察と消防が駆けつける大混乱となった。それでもハチャメチャこそ邪道の真骨頂、最後は大仁田が怨霊を爆破テーブル上でパイルドライバー葬。地獄から生還し、全て丸く収まった。

試合後はマイクを握り「人生は1回じゃ。自分の好きなこともせずに何が人生じゃ!」と邪道劇場を展開。そこへ〝放火王〟ことシャドウWXが登場し、大仁田めがけて火炎噴射だ。

邪道はライバルだった亡き〝極悪大魔王〟ミスター・ポーゴさんが得意とした衝撃砲で火だるまとされた上に、旗揚げ2戦目(8月15日、大阪・花博記念公園鶴見緑地)での対戦を要求された。もちろんこれを受諾すると、旗揚げ戦で超満員札止め425人を集め、オンラインでの観戦者数も好調だったとあって、上機嫌に「今後、ここは鶴見爆破アリーナじゃ!」と勝手に命名し同地での興行の定期開催を表明した。

実は、先の「人生は1回きりじゃ」のメッセージはある人物にも向けられたものだった。渦中の皇治だ。

先月27日の格闘技イベント「RIZIN」大阪大会「キックワンナイトトーナメント」1回戦で開始早々、梅野源治にバッティング(頭突き)。試合はノーコンテストとなり、協議の末に行われた白鳥大珠との決勝でも2度のバッティングを見せて判定負け。試合後には引退を示唆したが、バッティングが故意だったのではとの批判を集め、謝罪する事態に発展している。

賛否を集める生き方や、恋多きライフスタイル、成り上がりっぷりなど共通点が多いからか、かねて気になっていたと明かす邪道は「一生1回。そして人は人ですから。自分の人生なんだから、自分で決めるしかないんじゃ!」と力説。さらに「復帰には(引退の)倍以上…いや、3倍以上のエネルギーがいりますよ。だからできる限り続けたほうがいいと思いますけどね」と、引退→復帰を7度も繰り返した自らの経験を踏まえて現役続行を勧めた。

また力をなくしている様子には「人のことなんか知ったこっちゃねえだろって。目立ってるから言われるんだから。ヒールを突き抜ければいいじゃないか。今からベビーフェースにでもなりたいのか?」と一喝。その上で「俺はヒールが大好きだから。だって申し訳ないけど、ベビーフェースが存在するのはヒールがいるからこそだから。そんなこと言ったら俺なんて『死ね』『うそつき』『引退詐欺』って言われるの、そんなのしょっちゅうなんだから。へこんでたってしょうがない」とエールを送った。

「引退詐欺」と呼ばれることに関しては多少反省してもらいたい気もするが、今回は横に置く。最後に「1回、俺の試合を見に来い。そしたらお前は絶対にもう1回、格闘界の大悪党になれる」と呼びかけた。邪道の思いは届くだろうか。ただ、共闘という悪夢だけは勘弁してほしい…。

【行くも地獄、やめるも地獄…邪道は東京五輪開催を支持】大仁田は開幕まで約3週間まで迫った東京五輪についても言及した。「決めた限りは乗り切るしかない。賛否両論あるかもしれないけど、菅さんが決断したこと。行くも地獄、やめるも地獄。どっちも地獄なんだ。だったら、どうせなら突っ込むしかないわな」。アクセルを踏んだ菅義偉首相(72)をらしい言葉で〝支持〟した。

その上で「人気があった小泉(純一郎・元)総理だって、当時は賛否両論あったわけだから。ビビってたって何もできない。最近菅さんの顔色が変わってきて、きちんと物事を言うようになってきたように見えますよ」と指摘。さらに聖火リレーの話題を持ち出して「聖火なんてそこまで来てるんだから(聖火台で)燃やすしかない。俺は今日燃えちゃったけど。すごい爆発だったよ…。熱かった…。髪の毛燃えちゃったんだから」と苦笑いしていた。

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