小田原城を守った外郭「新堀」遺構、近道はこちら 回遊路を整備

小田原城の「新堀」の遺構を散策するための近道となる「小田原城天神山回遊路」=小田原市南町

 戦国時代、小田原城防衛の外郭として整備された「新堀」の遺構を歩いて散策してもらおうと、小田原市は、国際医療福祉大学(同市南町)グラウンド脇に「小田原城天神山回遊路」を整備し、6月24日に開通させた。

 新堀は16世紀後半、武田信玄や上杉謙信らの度重なる「小田原攻め」を契機に整備され、総延長は約1キロに及ぶ。後の時代に設けられた「総構」の内側に位置し、現在は清閑亭(同)敷地内と旧MRAアジアセンター(同市城山)跡地の2カ所に当時の土塁が残されている。

 これまで清閑亭から旧アジアセンターまで行くには丘陵地の住宅街を大きく迂回(うかい)しなければならなかった。そのため、市は2カ所の遺構を散策しやすくしようと同大の敷地を借りて新たな“近道”として回遊路約80メートルを整備した。

 市は「散策しやすくなったことで、小田原城のことをさらに知るきっかけにしてもらえれば」と期待している。

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