【新型コロナ】神奈川・小田原の民間病院、会場設置してワクチン〝集団〟接種「モデルケースに」

現在使われていない小田原箱根商工会議所会館を利用して行われた小澤病院のワクチン接種=小田原市城内

 新型コロナウイルスワクチンを巡り、医療法人同愛会小澤病院(小田原市本町)は7日、現在は使われていない旧小田原箱根商工会議所会館(同市城内)を会場に65歳以上を対象にした“集団”接種をスタートした。

 手狭な院内から別会場に移して接種スピードを上げるのが狙い。県担当者は「病院内で個別接種を行うケースが大半で、別会場を設ける病院は珍しいのでは」と説明し、関係者らは「今後のモデルケースにつながれば」と期待している。

 初日は商工会館大ホールで同病院の医師と看護師、職員ら20人の体制で約130人の接種を受け入れた。

 接種を受けた市内の女性(76)は「痛みもなかった。早めに接種を受けることができてよかった」と安堵(あんど)した様子だった。

 同市では民間病院での個別接種が8日から本格的にスタートし、集団接種は26日から始まる。

 市内約90カ所の医療機関で個別接種を重点的に行い、65歳以上約5万9千人の接種を7月中に完了させる目標だ。

 22診療科があり、市内では同市立病院に次ぐ規模という同病院。院内で待機スペースの確保も難しく「1日50人程度の接種が限界。全ての患者の接種が終わるのに数カ月かかる」と対応に苦慮。同病院が商議所の会員だった縁もあり、今年2月に事務所を移転し使われなくなった会館を借りることができた。

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