【スターダム】Ⅴ6達成ワールド王者・林下詩美の大野望 真夏のリーグ戦で“新日本超え”!

ワールド王座を防衛した林下詩美

女子プロレス「スターダム」のワールド王者・林下詩美(22)が、団体を業界盟主の座に押し上げる。4日に行われた刀羅ナツコ(30)との防衛戦(横浜)を突破し、V6に成功。王者として臨むリーグ戦「5★STAR GP」(31日、横浜で開幕)を控え、大野望を明かした。新日本プロレス「G1クライマックス」に並ぶ真夏の祭典として定着させ、“新日本超え”を目指すのだ。

不本意な形での王座防衛だった。試合は両軍セコンドが入り乱れる荒れた展開となり、刀羅が場外のテーブル上に載せた詩美にダイビングボディープレスを発射。さらにエプロンからのダイビングフットスタンプでたたみかけたが、ここでハプニングが起きた。

着地に失敗した挑戦者は左ヒザを負傷。ドクターストップによる勝利が告げられた詩美は、担架で運ばれた宿敵に「早く治して(ベルトを)取りに来いよ。その時は机でも凶器でも乱入でも、全部受け止めてやるから」とメッセージを送った。

大会メインを締められなかった悔しさから、逆に闘争心もわいてきた。「チャンピオンとしてスターダムに歴史を残すようなことをしたいです」

昨年11月にワールド王座を戴冠してからプロモーション活動でも先頭に立って活動するようになった。全国各地を回る中で感じたのが「スターダムは女子プロ界ではトップだと思うけど、まだまだ知らない人がたくさんいる」という現実。これで「私が引っ張らないといけない」という意識が芽生えた。

目標は同じ「ブシロードグループ」の業界の盟主だ。「意識するのは新日本プロレスさんですね。男子、女子関係なく1番になりたいので。新日本超えは夢ではなく、実現しなきゃいけない」と声を大にする。例年だと7月中旬~8月中旬は新日本が真夏の祭典「G1クライマックス」を開催する時期。だが昨年に続き、今年も東京五輪の影響で秋開催になる見込みだ。

一方スターダムでは31日に「5★STAR GP」が開幕。史上最多となる20選手が出場し、9月25日の東京・大田区総合体育館大会まで21大会でリーグ戦が行われる。本来ならG1に重なる時期であると同時に、序盤は23日開幕の東京五輪と同時期の開催となる。

ロッシー小川エグゼクティブプロデューサー(64)は「来年はビッグマッチを入れたもっと規模の大きいものにしたいと考えているので、今年はその布石になる。規模としてG1並みにしたい」と語る。詩美も「東京五輪とG1に負けない熱いリーグ戦にします。その中で真夏の“金メダル”を取る」ときっぱり。スターダム版G1として定着させ、業界トップへの道をひた走る。

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