【ラジオNIKKEI賞】ヴァイスメテオール2馬身半差で快勝 進化の夏から“実りの秋へ”

ヴァイスメテオールが力強く抜け出して重賞初制覇を成し遂げた

4日、福島競馬場で行われたGⅢラジオNIKKEI賞(3歳、芝1800メートル)は4番人気のヴァイスメテオール(牡・木村)が直線で力強く抜け出し、2度目の重賞挑戦で初のタイトルを手にした。木村調教師は16年ゼーヴィントに続く同レース2勝目。混戦ムードを覆し、2着に2馬身半差をつけた快勝劇を振り返るとともに今後の可能性を検証する。

能力と成長力を的確に判断しにくい3歳馬同士のハンデ戦。加えてメインレース前から雨脚が強まり稍重馬場に悪化したことでさらに難解を極めたが、この馬場をもっとも味方にしたのがヴァイスメテオールだった。

2走前の1勝クラス(中山芝内2000メートル、不良)を3馬身差で快勝した際には当時の鞍上ルメールが「水かきがついている」と語った通り、今日も他馬がぬかるんだ馬場にもがくなか、4角から手応え良く進出し、直線あっさり突き放す横綱相撲。「ここ2回、ゲートを出ていなかったので、スタートに気を付けました。最初、少し行きたがったけど、しっかり我慢してくれてリズム良く運べたし、(勝負どころの)手応えも楽でした」。そう丸山が振り返ったように、課題のスタートもしっかり決まってほぼ完璧なレース運びだった。

ただし、馬場が後押ししただけの勝利ではあるまい。レース後に木村調教師が「自信を持って乗ってもらえるようにこの中間は修正してきたし、返し馬からうまくリズムが取れているなと感じた」と言えば、丸山も「新馬に乗った時も能力のある馬だなと思ったが、体が大きい分、まだ緩さがあった。久しぶりに乗って馬が力をつけて良くなっているなと感じた」。プラス6キロでも体は引き締まっており、ここにきての成長力も見逃せない。

気になる次走について木村師は「まずはしっかり休ませてから」と明言は避けたが、「いい秋を迎えられそう」とも語り賞金加算で選択肢は大きく広がった。プリンシパルSでは4着ながら上がり最速(33秒4)の末脚を繰り出し、良馬場でも通用することは証明済み。にもかかわらず、トップハンデ馬から2キロ少ない54キロで出走できたのだから…このハンデ戦の難解さを物語る結果でもある。

シャフリヤール、エフフォーリアといった同世代の一線級に追いつくには、もう一段のパワーアップが求められるが、母シャトーブランシュは5歳夏に初重賞制覇している点からも、まだ伸びシロは十分見込めるはず。さらなる進化を遂げ、実りの秋を迎えた姿が今から待ち遠しい。

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