三浦海岸、今夏は海の家わずか2軒 2年ぶり海水浴場開設も 経営者高齢化、コロナも影響

16日の海開きに向けて建設が進む海の家=6月30日、三浦海岸

 東京湾に面した三浦海岸海水浴場が16日、2年ぶりに開設される。穏やかな波と広い砂浜に恵まれ、最盛期には60軒以上がビーチに並んだ海の家も、今夏はわずか2軒。レジャーの多様化や新型コロナウイルスの影響で厳しい状況の中、関係者は急ピッチで海開きの準備を進めている。

 京急線三浦海岸駅から徒歩5分。同海水浴場は、同駅が開業した1966年以来、首都圏に近い遠浅の海岸としてファミリー層を中心に親しまれてきた。近年は40万~50万人が訪れていたが、2019年の台風15号による被害、20年の中止と続いた。

 厳しさが増す中で今夏、建てられている海の家は2軒のみだ。そのうちの1軒、「丸長荘」を営む同海水浴場組合の吉田勝組合長(63)は「経営者の高齢化と後継者不足」と理由を語る。天候の影響を受けやすいのに加え、最近は海岸に来てもテントの中や車内で着替えたり食事をしたりする人が多い。昔のように利益が上がらず、敬遠するという。

 今年は海開きが例年より2週間ほど遅れた上、新型コロナの感染症対策が加わる。40年以上海の家に携わっている吉田組合長は「密を避けなければならないし、今年駄目だったらやめるかもしれない」と危機感を募らせる。

 仮に海水浴場が開設されなければ、監視が行き届かずに治安面の不安も出てくる。三浦市内の貴重な行楽地でもあるだけに、「何とかなくさないようにしたい」と関係者は模索を続けている。

 市内の海水浴場は和田が2日から、三浦海岸と荒井浜は16日から始まり、いずれも8月31日まで開設される。

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