中日OBの井手峻東大野球部監督 大島康徳氏を悼む「歌詞のように長打力が魅力だった」

中日OBの東大・井手峻監督

中日OBで東京大学野球部の井手峻監督(77)が6月30日に大腸がんのため亡くなった元チームメイトの野球評論家・大島康徳さん(享年70)をしのんだ。

「ファームのときから一緒にやっていた仲間で、彼はすごく明るい性格だった。若い時は星野(仙一氏)や大島、正岡(真二氏=71)とよく飲みに行っていた」という井手氏だが、実は大島氏の病状が気になり、前日(4日)に手紙を送っていたのだという。それだけにこの日、訃報を聞いて「手紙を出すのが遅かった。さびしいですね」と早すぎる死を惜しんだ。

井手氏は1966年のドラフト3位で中日に入団。2年後の68年ドラフトで1位指名の星野氏と共に3位指名で中日入りしたのが大島氏だった。中日は74年に王・長嶋を擁し無敵を誇った巨人のV10を阻止し、20年ぶり2度目のリーグ優勝を飾った。当時、中日OBでタレントの板東英二氏(81)が歌った中日の応援歌「燃えよドラゴンズ!」は40万枚を超える大ヒットを記録するなど名古屋の街は熱狂の渦。愛知県中の小学生たちが歌詞の中にある「一発長打の大島君」というフレーズを口ずさんでいた。

「(一発長打の大島君という)歌詞のように長打力が魅力で、外野フライかと思った打球がそのままスタンドインする選手でした。優勝した時は星野や(高木)守道さんが中心になっていたけど、みんなが仲間という感じだった。本当に残念です。ご冥福を心よりお祈りいたします」と井手氏は74年V戦士を悼んだ。

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