「免停中の人身事故隠蔽」木下ふみこ氏は除名処分…都民ファが辞職を迫らない事情

都民ファーストの会の木下ふみこ(富美子)氏の選挙ポスター

〝隠蔽ファースト〟が許されるのか。4日投開票された東京都議選で、板橋区選挙区で当選した都民ファーストの会の木下富美子都議(54)が選挙期間中に免停にもかかわらず、無免許運転で、人身事故を起こしていたことが5日判明。木下氏は謝罪したものの辞職は否定したことに怒りの声が渦巻いている。

木下氏は今月2日に板橋区内の交差点で、車をバックさせた際、停車中の車に衝突。この車に乗っていた男性と女性が軽いケガをした。木下氏は今年2月に免許停止処分を受け、事故時も免停期間中だった。

木下氏は「停止期間が終わったと勘違いをしていた」と釈明しているが、交通事情に詳しい関係者は「免許失効のうっかりはあるが、免停期間の勘違いなんてことはない。悪質で、一般人だったら逮捕されてもおかしくない。警察は選挙妨害になるのを恐れたのでは」と指摘する。

同じ選挙区から立候補していた他の候補や陣営は、先月の告示前から木下氏がハンドルを握る姿を目撃したと証言しており、無免許運転の常習犯だった可能性もある。

さらに問題なのはこの事故を木下氏が隠していたことだ。当選が判明した翌日にフジテレビが報じ、事態が判明した。板橋区の有権者は「選挙が終わってから、分かってもどうしようもない。せめて期間中に正直に話してくれていれば、判断できた。まあ落選していたでしょうけど」と話す。

木下氏は東京外語大から博報堂に入社し、地方創生に従事。希望の塾から4年前の都議選で当選していた。党では都議団副政調会長を務め、事故を起こした翌日には病み上がりの小池百合子都知事が応援入りするほど、信頼されていた。

都民ファは5日深夜、木下氏を除名処分にしたと明らかにした。永田町関係者は「3か月以内に辞職すると自民党候補が繰り上がるので、議員辞職までは迫らないでしょう。議員の出処進退は自分で決めるもの。コンプライアンスのかけらもない議員が居座り、4年間で1億円近い税金が支払われることになれば、政治不信が高まるだけです」と話す。

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