【新日本】デスペラードIWGPジュニアV2戦へ! 真価問われる「メインの十字架」

不退転の決意で臨むデスペラード

新日本プロレス10日札幌大会で石森太二(38)とのV2戦に臨むⅠWGPジュニアヘビー級王者エル・デスぺラードが、“不服申し立て”の責務を負った。ベルトの価値を高める上で最高の挑戦者と位置付ける石森との王座戦は、ビッグマッチのメインに抜てきされた。6月大阪城ホール大会での発言に起因するとみられる昇格だけに、不退転の覚悟で決戦に臨む。

負傷欠場中の高橋ヒロム(31)が返上した王座を保持する“自称暫定王者”は、そのヒロムの前にベルトを持っていた石森の挑戦を受けて立つ。今年2月に達成したジュニア2冠に対し、石森からは並々ならぬジェラシーを明かされている。

だが当の王者には追われる立場という感覚は皆無だ。むしろ実力・実績ともにトップクラスである挑戦者の登場は渡りに船で「石森太二というチャレンジャーは最強で最高。付加価値で言えばヒロムと(王座戦を)やるのを見たいって人が多いんだろうけど、単純にレスリングのレベルだけで言ったら、俺は(石森の)懐の深さにまだ追いついてないと思ってる。もう1段階上がるには絶対に石森を超えなきゃいけない」と闘志を燃やした。

王座戦は、6月大阪大会のV1戦(対YOH)が飯伏幸太(39)とジェフ・コブ(38)のシングル戦よりも前の第3試合に組まれていたことに“物言い”をつけた経緯もあり、札幌決戦のメインに据えられた。デスペラードは「こっちはタイトルマッチだぞっていう部分。ジュニアの選手がみんな一生懸命頑張って戦って手に入れようとしているものって、ヘビーのスペシャルシングルマッチより下なんだなと思ったからイラッとして」と振り返る。

それだけに今回は真価が問われる一戦となる。「これで試合内容コケたら『お前一生口きくなよ』って言われても『そうですね』しか言えなくなるけど。もともと口数の多い人間ではあるけど、それに全部責任が付随してきたら、俺は黙らないといけないのかもしれない。今回こうやって(自分の発言が)はね返ってきたことで少し実感したかな」と王者としての自覚を深め、発言の責務を果たす覚悟だ。

札幌決戦はヒロム不在の現ジュニアの主役を決める戦いと言っても過言ではない。「新日本のIWGPジュニアのシングルタイトルということは、見ている側としては世界最強のジュニアの称号。ここを超えないと、俺が見てたころのベルトのレベルに到底追いつかないんで」。必勝の十字架を背負ったデスペラードが大一番を制する。

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