【馬術日本代表】オリ・パラ13人の騎馬軍団 総合馬術・大岩義明は4大会連続出場

大岩は5年前のリオ五輪にも出場(写真は日本馬術連盟提供)

1900年のパリ五輪から実施される馬術は人と馬が力を合わせて走行し、演技する伝統の競技。今大会、日本勢は各種目3人馬ずつ、合計9人馬が出場する。

馬場馬術の佐渡一毅(36)、北原広之(49=ともに日本中央競馬会)、林伸伍(36=アイリッシュアラン乗馬学校)はいずれも五輪初出場だ。最年長の北原は8歳で初めて馬に乗り、曲折を経てついに五輪の夢をかなえた。「気難しい馬に乗るのが好き」という“ベテラン力”に期待だ。林は無類の競馬好き。競技の魅力を「言葉が通じない馬と意思疎通できたときは達成感と絆を感じる」と語る。

総合馬術は2008年北京五輪から4大会連続代表入りの大岩義明(44=nittoh)が大黒柱。コロナ禍で先行き不透明な1年を経験したが、百戦錬磨のつわものらしく「どんな状況下でも本番にはきっちり合わせます」と自信たっぷりだ。田中利幸(36=乗馬クラブクレイン)は17年に「3か月で2度の骨折」という人生最大の危機を乗り越えてロンドン大会以来の夢舞台。戸本一真(38=日本中央競馬会)は念願の五輪初出場となる。

障害馬術は佐藤英賢(35=ポールショッケメーレ厩舎)、福島大輔(43=STAR HORSES)が2度目の代表入り。斎藤功貴(31=北総乗馬クラブ)が2日の欧州競技会で最後の1枠を手にした。

佐藤は高校卒業後の18歳でベルギーに拠点を移し、08年北京五輪出場。その後、14年から馬術を離れて日本で生活したが、19年に競技復帰して五輪出場を決めた。福島は高校2年時に全日本障害馬術選手権で最年少V(17歳)。リオ五輪に続く2大会連続出場でメダルを狙う。

日本障がい者乗馬協会は、東京パラリンピックの馬術代表に内定した4選手を発表。グレード2の宮路満英(63=リファイン・エクインアカデミー)、同2の吉越奏詞(20=アスール乗馬クラブ)、同3の稲葉将(26=静岡乗馬クラブ)、同4の高嶋活士(28=ドレッサージュ・ステーブル・テルイ)が名を連ねた。

初代表の稲葉は「今までパラ馬術でメダルを獲得した日本人選手がいないので、メダルを取って第一人者になりたい」との思いで練習に取り組んできた。祭典に向けては「プラスのエネルギーを与えられる選手になりたい」と闘志を燃やす。

高嶋は元日本中央競馬会(JRA)騎手という異色の経歴を持つ。当初は「競馬は体を前に傾けさせるので、その癖が出ていた」と悪戦苦闘しながらも、入賞を目標に延期期間を有効活用。「技の精度のアップにすごく時間を割けた」と着実に進化を遂げている。

2大会連続の代表入りの宮路は「自身が納得できる最高の演技で入賞を目指す」とコメント。吉越は「美しくて華麗な演技でメダルを狙う」と意気込んだ。

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