バスケットボール男子東京五輪代表 田中が選出 長崎西高出身

田中大貴(c)JBA

 日本バスケットボール協会は4日、東京五輪の5人制男子代表に内定した12人を発表し、長崎県雲仙市出身の田中大貴(29)=A東京=が選ばれた。フリオ・ラマス監督は「私が伝えたいことを理解した上で行動できる。このチームに与えるものは大きい。信頼している」と高く評価して、田中と渡辺雄太(ラプターズ)の2人を主将に指名した。
 田中は富津小(2019年閉校)でバスケットボールを始め、小浜中から長崎西高に進学。東海大3年から日本代表入りした。14年にA東京の前身、トヨタ自動車に入団。Bリーグ19~20年レギュラーシーズンの最優秀選手賞に輝いた。ポジションはシューティングガードだが、代表ではポイントガードも務める。
 バスケットボール男子で県勢の五輪代表入りは、1976年モントリオール大会に出場した浜口秀樹(当時拓大)以来、45年ぶりとなる。

 ◎「おめでとう」「信じていた」 地元関係者ら喜びの声

 初の五輪出場を決めたバスケットボール男子の田中(A東京)。主力に定着していたとはいえ、12枠しかない厳しい代表争いを勝ち抜いた地元のヒーローに、関係者や家族から「おめでとう」「必ず入ると信じていた」と喜びの声が上がった。
 田中を長崎西高時代に指導した後藤慶太元監督(長崎南高校長)は「ここまでの選手になれたのは、素質に加えて本人の努力と積み重ねがあったから。向上心を持ってストイックに取り組んできた成果」と教え子の快挙に声を弾ませた。
 田中の古里、雲仙市からのエールも熱い。田中は2017年から「雲仙ふるさと大使」を務めており、金澤秀三郎市長は「市民に勇気と希望を与えてもらった。チームが一丸となり、田中選手が持てる力を全て発揮できるよう市民と共に応援する」とコメントした。
 19年には田中が通った小浜幼稚園(現・小浜こども園)の森下晃英園長が会長を務める雲仙後援会も発足。森下会長は「努力すれば夢がかなうということを、今の園児や卒園生にも身近に感じてもらえる」と顔をほころばせた。市役所や同園は、それぞれに応援の懸垂幕や横断幕の設置準備を進めている。
 頼もしく成長した息子の姿に、母の克江さんは「各年代でいい指導者の方に巡り合えたのも大きいと思う。プレッシャーもあるかもしれないけれど、けがなく頑張ってほしい。大貴の活躍は私の生きがい」と本番を楽しみにしていた。

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