【新型コロナ】抗原検査キット、神奈川県が配布へ 7月中にも10万人対象

神奈川県庁

 神奈川県は、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ新たな対策として、発熱などの軽い症状を自覚した人が陽性かどうかを自ら確認できる抗原検査キットを配布する事業に乗り出す。県のアンケートに回答した約10万人を対象に実施し、早ければ7月中にスタートする。

 県によると、1~3月に約1400人を対象に実施した抗体検査で判明した抗体保有率は1.2%。3月までに感染が確認された陽性者の割合は0.5%のため、計算上は0.7%の人が感染しても検査を受けずにすり抜けているという。

 県は理由について①症状が軽くて検査を受けなかった②医療機関で検査を受けることに抵抗があった─などと推察。自宅で症状を自覚した際に通勤・通学を控えて医療機関を受診してもらおうと、対象者に抗原検査キットをあらかじめ配布する。

 通信アプリ「LINE」を使った公式アカウント「新型コロナ対策パーソナルサポート」でのアンケートでは、キットで陽性が判明した場合、大半が「医療機関を受診」「通勤・通学を控える」と回答し、県は効果が見込めると判断した。

 これまでのアンケート回答者のうちの希望者にキット2個を送付し、体調が悪いときなどに使ってもらう。キットは企業から大量に寄付されるという。今後、回答者以外の対象者拡大も検討するという。

 県の阿南英明理事(医療危機対策担当)は「『点』で押さえる戦略は限界を迎えつつあり、『面』での対策が必要だ」と話している。

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