韓国EV市場、テスラが現代自動車を抑え1位を維持 ともに火災事故抱えるも明暗

韓国の現代自動車がEV(電気自動車)でテスラとの差を埋められないでいるようだ。

韓国の自動車系メディアなどによると、韓国の自動車統計関連システムで新車登録統計を分析した結果、今年上半期の電気自動車の韓国販売台数は3万9,302台だった。

このうち現代車の電気乗用販売量は7,129台で、昨年上半期より46.2%増加した。去る5月に(火災事故頻発によるリコールで)韓国内での生産が中止されたコナ・エレクトリックが65.5%減少となる1,429台にとどまったが、今年4月に販売が開始されたアイオニック5が5,700台を記録し増加を導いた。

現代自動車はアイオニック5投入に支えられ売上を伸ばしたが、シェアは昨年22.1%から今年は18.1%にむしろ減少した。自動車用半導体の不足などによってアイオニック5の生産が追いついていないからだ。4月の生産量は目標の4分の1の水準に留まったと伝えられる。現代自動車の傘下企業である起亜自動車も同様の理由などでEVのシェアが昨年の10.5%から9.2%に減少した。現代と起亜の合計シェアは28.3%となった。

一方で、テスラ・コリアの今年上半期の販売台数は1万1,629台で、昨年上半期より64.3%増加した。このうち、モデル3が前年同期比8.2%減の6,275台、昨年5月に販売が開始されたモデルYは2ヶ月で5,316台と集計された。テスラの市場シェアも昨年32.1%から今年は29.6%に減少したが、それでも現代車と起亜の合計EVシェアよりも高くなっている。

韓国では昨年末、テスラの「モデル3」の搭乗者が火災事故で無くなる事故が発生している。このとき、衝突事故による火災事故で電力供給が切れ、後部座席のドアを外側からも内側からも開くことができなくなっていた。韓国メディアなどから批判され、今年6月には同国の消費者団体から告訴もされたが、結果的に韓国でのEVトップシェアを保っている。

(参考記事:「韓国消費者団体がテスラとイーロン・マスクCEOを訴える 火災死亡事故など指し「重大な欠陥を隠蔽」」)
(参考記事:「現代自動車のEV「アイオニック5」が英自動車評価で最高賞受賞」)
(参考記事:「現代自動車グループ、1~6月の米販売実績が過去最高に…前年同期比48.1%増 SUVが牽引」)

(構成:KOREA ECONOMICS編集部)

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