〝非情采配〟の真相は――。巨人の原辰徳監督(62)が8日の中日戦(東京ドーム)で、強気の継投策に打って出た。
この日の先発はプロ初勝利がかかる直江。初回を三者凡退、2回も木下拓に中前打を打たれながらも得点圏には進ませない投球で上々の立ち上がりを見せたが、3回に試合が動いた。
先頭打者の根尾にストレートの四球を与えると、柳に犠打を許して一死二塁のピンチ。続く京田には左前適時打を放たれて、あっさりと先制点を奪われた。
なんとか立て直したいバッテリーだったが、一走・京田を盗塁死とした直後の打者・加藤翔に左前打を許したところで、原監督がグラウンドへ。スタンドからはどよめきが起こる中で非情にも降板が告げられ、以降はブルペン陣4人でつなぐ継投策に入った。
指揮官の勝利への執念が通じたのか、その後は今村―桜井―大江―ビエイラと無失点リレーに成功。打線は4安打完封を喫して勝利にこそつながらなかったが、G投の意地を見せた。
試合後、原監督は直江の降板理由について「ちょっとボールに押さえがもうなくなってきたかなというところですね」と説明。宮本投手チーフコーチも「3イニング目に急に球速が落ちたり、そういったのがみえたので。すぐに今村、桜井につなぐっていうのが、元々そういう計画のもとありましたね。だから、もう少し、普通であれば投げさせたいのはあったんですけど…」と振り返った。
直江は9日に登録を抹消され、同日の阪神戦で先発する戸郷が登録予定。後半戦で右腕のパワーアップした姿を首脳陣は待っている。