2020年の宿泊客消費 821億円減 コロナ影響 長崎県試算

 長崎県は8日、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2020年の宿泊客の観光消費額が前年比で約821億円減少するとの試算を明らかにした。
 県議会観光・IR・新幹線対策特別委員会で、小林克敏委員(自民・県民会議)の質問に永峯裕一観光振興課長が答えた。
 県観光統計によると、19年の延べ宿泊客数は820万5千人、宿泊客の観光消費額は約2096億7千万円。20年分は確定しておらず、県内180の宿泊施設を対象にした県観光動向調査(20年)の数字を用い、観光統計による宿泊客1人当たりの平均消費額3万2千円を掛け合わせ試算した。
 小林委員は「コロナ後を見据え、生き残りを懸けた地域の観光戦略を県が音頭をとって取り組む必要がある」と求めた。
 一方、今月から佐世保市を除いて再開した県民向け宿泊割引キャンペーン「ふるさとで“心呼吸”の旅」は約50万人泊分を準備。同様の試算では宿泊客の観光消費として127億円が見込まれているという。

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