「妊産婦医療費助成制度」創設を 県保険医協会、長崎市に要望

長崎市に妊産婦医療費助成制度の創設を求める本田会長(左)=同市役所

 長崎県保険医協会(本田孝也会長)は8日、妊娠や出産をした女性の医療費を補助する「妊産婦医療費助成制度」を創設するよう長崎市に要望した。先月までに県内約1万3千人を対象としたアンケートで、経済的負担の大きさや制度創設を訴える意見が多数上がったため。県内の他市町にも今後求める。
 調査は4~6月、妊婦や育児中の母親らを対象に実施した。同市で回答した約5400人のうち6割以上が妊娠中の医療費や健診費を「非常に高い」か「高い」と回答。出産後に「精神的な不安定さ」を感じた人は4割いたが、経済的な理由などから9割以上が心療内科などを受診していなかった。
 本田会長は市役所で、藤田庄三こども部長に要望書を手渡し「母親の経済負担は大きい。長崎市から県内に広げて」と求めた。妊娠中に子宮頸(けい)がんが判明し治療を受けた薗田麻衣子さん(41)=同市=は「専門家の話を気軽に聞けることは大切。お金の心配で(病院に)行き渋らないでいいように助成制度を作ってほしい」と訴えた。
 藤田部長は「母親の負担軽減は必要。市単独の制度創設は財政面からすぐには難しいが、先進自治体の状況を調べ、国や県の支援を受けて検討する」と答えた。

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