糸魚川市は9日、国の新型コロナウイルスワクチン(ファイザー社製)供給量の大幅減に伴って十分な予約が受けられない状況にあるため、新たに54歳以下の接種券発送を延期すると発表した。同日、臨時の記者会見を開いて接種計画の変更について説明した。
同市へのワクチン供給量は6月が約1万5000回分、7、8月は各約5800回分と6月供給量の3分の1程度にとどまる見通し。
54歳以下の接種券は12日以降、5歳刻みで週を追って発送される予定だった。延期の対象者は12~54歳の約1万6200人。今後の発送時期は8月下旬から段階的に行う予定。
◇集団接種の予約再開へ
2日から新規予約を一時的に停止している市内の集団接種会場(糸魚川総合病院、能生国保診療所)は基礎疾患のある人が13日から、55~64歳が16日から予約受け付けを再開する。午前9時から。予約枠に限りがあり、埋まった場合は一時的に受け付けを止める。
個別接種のかかりつけ医(市内14開業医)は9日時点でいずれも予約が取りにくい状況になっているという。
◇職域、市外接種に対応
職場や大学、市外のかかりつけ医などで接種を予定する人に接種券を発送する。申し込みはインターネットまたは市予約センター(電025・552・1400)で、受け付けは12日午前9時から16日午後3時まで。期間終了後も相談に応じて受け付け、発送する。
県の大規模接種センター(上越市・ユートピアくびき希望館)の職域接種対象に糸魚川市内の企業従業員と同居家族(18歳以上)も加わった。モデルナ社製使用。7月下旬からの接種をめどに市企業支援室で取りまとめる。
◇市民部長が会見で説明
市は希望する全市民の接種完了目標を11月末とし、現時点で変更はない。米田徹市長は現在入院中で、会見に臨んだ渡邉成剛市民部長が「示した時期に接種券を送れず、接種機会を設けられずご迷惑をお掛けしている」と話し、市民に理解と協力を求めた。