大相撲名古屋場所7日目(10日、愛知県体育館)、6場所連続休場明けで進退をかける横綱白鵬(36=宮城野)は、幕内翔猿(29=追手風)を上手投げで下し、初日から7連勝とした。
珍しい相撲だった。立ち合いで見合う翔猿の作戦に付き合うように、動きを止めたかと思えば、頭を付け合ったり完全に突っ立つなど、コミカルな場面も。結果、長い相撲となったが、最後は横綱が左の上手を取って土俵に転がし、きっちり白星を手にした。
白鵬は取組後、今場所2度目のノーコメントで会場を後にしたが、奇策で挑んだ翔猿は「ドキドキした。突っ込んだらつかまると思ったので慎重に攻めた。圧力が大きく(白鵬の)次の一手が速かった」と、初の横綱戦で角界トップの迫力に驚いた様子だった。
伊勢ヶ浜審判部長(61=元横綱旭富士)は「落ち着いて相手をよく見て相撲を取っていた」と評価。さらにここまでの戦いぶりについても「十分な相撲は取っていないが、勝ち星は挙がっているのでいいんじゃないか。後半が楽しみ」と今後に期待を寄せていた。