“破壊王2世”橋本大地「あの人は戦士だったと思うんです」 亡き父・真也さんへの思い語る

強烈な存在感だった橋本真也さん(1990年8月3日=栗栖正伸戦)

11日は〝破壊王〟の異名を取った橋本真也さん(享年40)の16回目の命日。その長男で、今年デビュー10周年を迎えた橋本大地(29=大日本プロレス)に不世出のレスラーである亡き父への思いを聞いた。

【橋本大地インタビュー後編】

――デビューから10年で父親の〝闘魂〟に少しでも近づき、見えてきた実感は

大地 ありますよ。この業界に入っていろんな人に話を聞いたりして。例えば母が「パパは熱が40度あっても東京ドームに立っていた」って言うんですよ。(コロナ禍の)今だったら問題になるかもしれないけど。そういう話を聞いていくと、あの人は根っからの戦士で、自分の立場や、自分がいなくなった時の責任を理解しているというか。もしかしたら、ただ自分が(リングに)立ちたかっただけかもしれないけど、あの人は戦士だったと思うんですよ。

――伝説を聞くことで父を理解していくと

大地 そういう話を聞いて、自分で近づけるところは近づくというか。この年になると性格は変わらないですから「どうなのかな」って思うところは反面教師というか、違う方にいくかもしれないし。

――確かにやんちゃというか、破天荒な伝説も多い

大地 多分、あの人の周りにいた人で、あの人の破天荒とかイタズラとかを今の言い方で言うと「イジメだ」とか「嫌だ」って思った人ってなかなかいないと思うんですよ。それって結果として、人を笑顔にできているからだと思うんです。僕はそんなに破天荒な性格ではないですけど、人を笑顔にするっていうのはやりたいと思います。

――父親の教えで今も大事にしていることは

大地 箸の作法です。当時「気をつけろよ」ってよく言われて、すごく教わって。大人になってからもずっとその教わったことを覚えているんで、もっと箸を頑張ろうみたいな(笑い)。それが(父親の教えで)一番残っているかもしれない。

――自身の今後は

大地 できてないことがたくさんあるんで。やりたいことをとりあえずやっていければ…。この先、10年やってもまだ(現役20年)。もう10年は頑張れるでしょ、と思います。

――もう10年現役を続ければ39歳。橋本さんが亡くなった40歳が目前になる

大地 確かに…。そうなると不思議な感じですよね。あと10年たってみないと分からないから、そのためにもまず10年ですね。

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