【東京五輪】IOCバッハ会長の広島入りは無事に済むのか 反対派 “結束”し断固阻止を予告

「隔離減免」のIOCバッハ会長(ロイター)

東京五輪の開幕が近づく中、国際オリンピック委員会(IOC)の〝ぼったくり男爵〟ことトーマス・バッハ会長(67)が、五輪反対派の徹底マークを受けている。同会長は16日に広島訪問を予定しているが、反対派は阻止する構え。もうすぐ祭典が始まるというのに、不穏なムードが漂っている。

反対派による〝奇襲デモ〟が行われたのは10日午後2時。バッハ会長が宿泊する都内の5つ星ホテルに「五輪マフィアを退治する市民有志」が集結した。デモ隊は「平和を願うなら広島行くな!」「バッハのせいで日本の国益が損なわれる!」「今からでも五輪を中止しろ」と大合唱し、警官隊ともみ合いになるなど周囲は騒然となった。

デモは約1時間で終了してホテル周辺は平静を取り戻したが、これは〝序章〟にすぎない。なぜなら、複数の反五輪団体はすでに広島の市民有志と連携してバッハ会長の式典参加を阻止することを画策。さらに、23日の開会式にも反対派は東京都庁と国立競技場の周辺で五輪の中止デモを予告しているからだ。

今回の抗議活動を主導した杉原浩司さん(55)は「私はもともと五輪には反対。開催地へあらゆる負担を押し付け、IOCが利権をむさぼる。しわ寄せはすべて開催地の社会にもたらされてきた歴史がある。(バッハ会長は)超高級クラスの部屋に泊まり、隔離もわずか3日。それで広島まで出向いてパフォーマンスするってどう考えてもおかしい。平和でも何でもない」と憤る。

その上で「五輪災害を最小限にするために、少なくともバッハ会長が広島に行くことだけはやらせない」と言い切った。バッハ会長は11日に新型コロナウイルス感染対策による隔離期間を終え、16日に広島を訪問する予定。大会組織委員会の橋本聖子会長(56)は「万全な感染症対策を講じた上で、平和の尊さを国内外に伝えていただければありがたい」と後押しているが…。

東京では再び12日から緊急事態宣言が発令され、不要不急の外出や旅行などは控えることが求められている。そのような状況下での広島訪問は、果たして世間の理解を得られるのだろうか。

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