【新日本】内藤哲也11年ぶりIWGPタッグ戴冠 「防衛戦はすべてメインイベントで」

王座奪取した内藤(左)とSANADA

目指すはベルトの“格上げ”だ。新日本プロレスのIWGPタッグ選手権(11日、北海道・真駒内セキスイハイムアイスアリーナ)は挑戦者の内藤哲也(39)、SANADA(33)組がタイチ(41)、ザック・セイバーJr.(33)組を破り第90代王者に輝いた。タイチ組からの即座のリマッチ要求により25日東京ドーム大会での再戦が決定的になったが、内藤は返り討ち後の防衛戦をメインイベントに限定するプランを明らかにした。

大激闘となった一戦のハイライトは35分過ぎだった。王者組の天翔ザックドライバーの体勢に捕らえられた内藤だったが、SANADAの救出で九死に一生を得る。最後はラウンディングボディープレスのアシストから、内藤が正調デスティーノをザックに決めて3カウントを奪った。

試合後は敗れたタイチ組が25日東京ドームでの再戦を要求。最後まで相手をからかい続ける内藤に代わりSANADAが「やってやってもいいよ」と受諾し、V1戦での激突が確実になった。

大会後に本紙の取材に応じた内藤も「俺は戦前から彼らを偉大なチャンピオンと言っていたし、実際に試合を通じて『プロレスはシングルが全てじゃないな』って改めて思い出させてくれたのでね。またやることに関しては楽しみではありますよ」と再戦に前向きな姿勢を示した。

ただし2010年5月以来、約11年ぶりにタッグベルトを手にした制御不能男には明確なビジョンがある。「今回は真駒内のメインだったわけですよ。タイチ選手が、すでにメインが決定済みの東京ドームを指定してしまったので初防衛戦では不可能になってしまったのですが…彼らとのリマッチをクリアしたら、その後の内藤、SANADA組の防衛戦は全てメインイベントでやりたいですね」

昨年12月11日に日本武道館で行われた「ワールドタッグリーグ」優勝決定戦は、同時開催の「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」にメインを奪われた。こうした現状を打破するためにも「メインでのタイトルマッチ」にこだわるという。

「東京ドーム後のビッグマッチはメットライフドームですけど(9月4、5日の)2連戦ですから。どちらかのメインをタッグで張ることは十分可能でしょう。それがタッグの価値を上げることにもつながるし、一番はLIJがメインを張りたいという部分なんですけどね」とスタジアムマッチの大トリを務めるところまでタッグ王座の地位を向上させるつもりだ。

そのためにもまずは東京ドームで前王者組を返り討ちにする。同大会は緊急事態宣言の影響により、全カードが出揃っていない11日時点でチケット販売が終了した。「非常に残念ではありますけど、東京五輪が無観客開催となる中で、有観客で試合ができることはすごくうれしく思いますし。会場で見てもらえることの喜びを感じながら試合をしたい」。新たな目標と揺るぎない決意を胸に、タッグ王者の内藤がドームのリングに向かう。

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