米ハーバード大学ロースクールのマーク・ラムザイヤー教授による「慰安婦は性奴隷ではなく雇い主との雇用関係にある性サービス従業者であった」という、いわゆる“ラムザイヤー論文”が波紋を広げている。
論文の撤回を求めて一部日本の学者が署名活動を行っていることに関し、9日、国際歴史論戦研究所(杉原誠四郎会長)という団体が日本学術会議(梶田隆章会長)に公開質問書を送付したとして記者会見を開いた。
同研究所が日本学術会議に公開質問書を送るのは、6月3日に続いてこれが2度目。
国際歴史論戦研究所の藤岡信勝理事は「ラムザイヤー論文に誤謬(ごびゅう)があるとするなら、新たな論文で反証するのが学者の本来の姿勢であるべきである。反対者の人数や外部からの圧力で論文そのものを葬りさろうとする行為は、『学問の自由』の根本にかかわる問題であると判断し、学術会議の見解を問い、6月末日期限で回答を求めたが、いまだ回答がない。再度、質問状を送ることにした」と語る。
藤岡氏によると、日本学術会議の連携会員には、ラムザイヤー論文撤回要求運動に賛同し、署名している研究者が3人いるとして、会見では実名も公開された。
姉歯暁駒沢大教授、松島斉東京大教授、西川伸一明治大教授。
「日本学術会議が公開質問状を無視したのは、上の連携会員を有しているからではないか。となれば、学術会議もまたラムザイヤー論文撤回運動に賛同していると解釈せざるをえない。また、この3名に公金が支給されているのも問題だ」(藤岡氏)
新たな公開質問状は、前回同様、ラムザイヤー論文撤回要求運動に関する学術会議の見解を問い、加えて前出の3人の除名等の処分の有無について求める内容となっている。回答の期限は7月末日。