新型N-BOX、2022年末にもフルモデルチェンジか!? 超ヒット作の3代目、ホンダ 新型N-BOXを徹底予想

ホンダの軽自動車「N-BOX」は、2011年末登場の初代、2017年登場の2代目(現行型)と2世代続いて大成功し、安定した売れ行きが続いている。次の新型N-BOXにも期待がかかるが、果たしてどのような姿で現れるのだろうか。順当に行けば2022年末から2023年初春にもフルモデルチェンジすると思われる3代目 新型N-BOXの姿を徹底予想する!

ホンダ 新型N-BOX L コーディネートスタイル[2020年12月マイナーチェンジモデル]

初代デビューからわずか9年5ヶ月で200万台を販売したN-BOXシリーズ

東京モーターショー2011会場で初披露された初代N-BOX(写真はプロトタイプ)

2021年6月、ホンダの軽スーパーハイトワゴン「N-BOX」は、2011年12月の初代デビュー以来、9年5ヶ月で累計200万台の販売を達成した。ホンダはこれまで、コンパクトカー「フィット」で200万台達成に11年9ヶ月という最短記録を持っていたが、これを大幅に超えるホンダ史上最短の記録を樹立した。

引き続き2021年度上半期(2021年4月~2021年9月)も販売台数1位の記録を維持し続け、ホンダ N-BOXは向かうところ敵なしの状態にある。

2011年12月の初代デビュー以来、安定して販売記録を更新し続けるホンダ N-BOX

失敗はありえない! ここまでロングランヒットが続くと…むしろ気になるのが3代目N-BOXの行く末だ

しかし、ここまで盤石な状態で売れ続けるとむしろ気になるのが、今後登場するであろう3代目N-BOXの行く末である。

2代目N-BOX(写真は2020年末にマイナーチェンジした現行モデル)

2017年にフルモデルチェンジした2代目(現行型)N-BOXは、初代のイメージを継承したいわば「キープコンセプト」のデザインだった。しかし車両の土台となるプラットフォームは新開発され一新。先進運転支援機能「Honda SENSING(ホンダセンシング)」や走りの性能、緻密なパッケージングはさらに進化。これまで軽に乗ったことがなかった新規ユーザーからの支持も集めた。

果たして同じように「見た目キープコンセプト、中身は刷新」でいくのか、それとも3代目はガラッと変身しイメージを新たにするのか。いずれにせよ「絶対に失敗できない!」という開発チームのプレッシャーたるや、部外者が想像しただけで胃が痛くなる思いだ。

今回は誰もが気になる次期型、新型N-BOXについて予想してみよう。

燃費性能向上! 次期型3代目N-BOXの目玉はマイルドハイブリッド!?

盤石といわれるホンダ N-BOXではあるが、弱点はないのだろうか。数少ないマイナスポイントとして、以前から言われているのは“実燃費”性能の面だ。

ホンダでは現行型N-BOXの開発に当たり、極端に燃費記録に振った性能追求をしないと明言している。他社ライバル車の「スズキ スペーシア」(22.2km/L~21.2km/L)「ダイハツ タント」(21.2km/L)「日産 ルークス/三菱 eKスペース」(20.8km/L)に対し、N-BOXが21.2km/Lとカタログ燃費の数値上ではほぼ同等だが、特に都市部などで実燃費に差が出る傾向にはあるようだ。

※燃費数値は各ノンターボ・FFモデルのWLTCモード燃費値

スズキ スペーシアの助手席シート下に積まれたマイルドハイブリッド用の小型リチウムイオンバッテリー

スズキや日産では小型のリチウムイオンバッテリーとISG(モーター機能付発電機)を組み合わせたマイルドハイブリッド機構を搭載し、燃料を消費する発進時の加速を補助する。軽自動車が主に活躍する街中での発進・加速といった実用域での実燃費向上を図った仕組みだ。

ホンダでも次期型のN-BOXにこうしたマイルドハイブリッドシステムを搭載してくる可能性はある。

ただしスズキなどがリチウムイオンバッテリーを搭載する位置に、ホンダはガソリンタンクを搭載している。それゆえの広い室内空間があるわけだが、いずれにせよ搭載スペースをどこかに確保する必要はある。

革新的なパッケージングゆえ支持を集めたN-BOXは、来る電動化時代においても新たな提案をしていくるのか、期待がかかるところだ。

フルモデルチェンジは2022年末から2023年頃か 価格は現行型とほぼ据え置き

2017年登場の2代目N-BOX デザインイメージスケッチ[イラスト:Honda DESIGN]

新型N-BOXだが、競合他社を考えると価格の大幅上昇は考えにくい。現行型(140万円台~210万円台)とほぼ同等か、マイルドハイブリッド化に伴いプラス5~8万円程度の上昇幅に抑えてくるだろう。

デザイン面がどうなるかは現段階では不明だが、独特の背高スタイルが初代、2代目と支持を集めてきただけに、基本的には現行型のイメージを継承してくると思われる。この辺り、どういった手で挑んでくるか楽しみなところだ。

初代が3年でマイチェン、5年でモデルチェンジ、現行型も同様の流れだが… 部品供給不足の影響で新型登場が遅れる可能性も

最後に、気になるホンダ N-BOXのフルモデルチェンジの時期を予想してみよう。

2011年12月にデビューした初代N-BOXは、およそ3年後の2015年2月にマイナーチェンジ。デビューから5年強が経過した2017年夏にフルモデルチェンジを実施している。

また現行の2代目N-BOXも、初代同様にデビューからおよそ3年後の2020年12月にマイナーチェンジを実施済み。このまま初代同様の流れを継承すると5年強、つまり2022年末から2023年初春にはフルモデルチェンジを実施することが予想される。

写真は現行型(2代目)ホンダ N-BOXの内装・インパネ周り

ただし、半導体不足をはじめとする自動車部品の供給遅れが続く中、国内の各自動車メーカーが生産計画の見直しを余儀なくされている現状がある。ホンダ社内においても、新型車導入計画の再検討が行われている模様だ。

国内随一の売れ行きを誇る主力車種のN-BOXとなれば、失敗は許されない。安定した生産体制の見通しが立つまで、しばらくN-BOXのフルモデルチェンジが見送られる可能性もある。引き続き今後の動向を見守りたいところだ。

[筆者:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル/撮影:Honda・MOTA編集部]

<初出:2021年7月12日/本文改訂:2021年11月24日>

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