【ボクシング】井岡一翔がJBCの謝罪受け入れ「一つのケジメ。防衛戦で勝つことに集中したい」

永田JBC理事長から謝罪文を受け取る井岡

〝濡れ衣騒動〟が長期化していたWBO世界スーパーフライ級王者・井岡一翔(32=Ambition)が12日、日本ボクシングコミッション(JBC)の永田有平理事長と共に会見に出席。直接の謝罪を受け入れて騒動に区切りを付けると表明した。

一翔は昨年大みそかの試合の際、ドーピング検査で禁止薬物の陽性反応を示したとされたが、JBCが設置した倫理委員会による調査で「違反は認められない」と認定された。その後の調査によりJBCの検体の管理体制などの不備が発覚し、5月28日に公式サイトに謝罪文書を掲載。永田理事長が一翔に直接謝罪に赴く意向も明かしていた。

この日、その〝直接謝罪〟が実現し、会見の冒頭で一連の騒動に関する謝罪文を永田理事長から手渡された井岡は「本日、JBCからドーピング違反疑惑の一連の騒動に対して直接謝罪を受けました。直接謝罪を受けることは私にとって最も重要視して求めてきました。謝罪を受けたことでスッキリ解決したという気分ではありませんが、一つの区切りとして受け入れたいと思います」。その上で「一連の騒動によって、私の味わった苦悩はこれまでにさまざまな場所で語ってきました。私と同じような目に遭うボクサーが二度と現れないようにしてほしいです。このようなつらい思いをするのは私だけでじゅうぶんです。JBCは私が求めてきたことを受け入れ謝罪をしてくれました。このような謝罪を受けるために努力を重ねてくれた関係者の皆さまに感謝申し上げます」と訴えた。

永田理事長からは自身と浦谷信彰執行理事が長岡勤コミッショナーに進退伺を提出したことが明かされ、ドーピング検査のさらなる厳格化や情報漏洩の調査を進めることも約束された。これを受けて一翔は「これで一つのケジメがついたので、スポーツマンらしく今後は前だけを向いて防衛戦に、勝つことへの努力に、トレーニングに集中していきたいです」。秋開催が予想される次の防衛戦に、これで集中となるか。

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