米国代表のDeNAオースティンが19号ソロ含む21度目マルチ 侍関係者「嫌な選手目覚めた」

五輪では侍の強敵となりそうなオースティン

日本にとって脅威の存在となりそうだ。DeNAのタイラー・オースティン外野手(29)が13日、阪神戦(甲子園)で19号ソロを含む3打数2安打2打点と存在感を見せつけた。

チームも8―2と大勝し、連敗を4でストップ。これで自らは今季21度目となる複数安打をマークし、今季通算成績も打率3割1分9厘、19本塁打、49打点と3部門すべて引き上げた。

今季はコロナ禍による来日遅れで一軍での初先発出場が4月15日のヤクルト戦(神宮)と開幕から20日間近くも後にずれ込んだ。それでもハイペースで打棒を爆発させ続け、規定打席に達すると打率、本塁打、打点はいずれもリーグ十傑にランクイン。7月に入って調子を崩しかけていたが、ここにきて再び復調気配を漂わせている。

最下位に沈むDeNAにとっては浮上のカギを握る頼もしき助っ人だが、その一方で東京五輪に臨む侍ジャパンから見れば最強の「難敵」になるのは必至だ。

オースティンは今月2日(日本時間3日)、東京五輪に参加する野球米国代表のメンバー24人に選出された。米国代表は1次リーグでB組に入り、A組の日本とは別組だが、強豪国同士だけに次のノックアウトステージで対戦する可能性が高い。侍ジャパンの稲葉監督は当然のように米国代表を早い段階から注視しており、そのメンバーに加わったオースティンについても「いいバッターです」と評し警戒心を強めている。

侍ジャパン関係者の間からも「オースティンでしょ? 東京五輪の開幕直前のタイミングで嫌な選手が目覚めてしまった感がある。NPBの選手のことを知り尽くしているわけだし、さまざまな意味で怖いバッター。日本の情報を米国代表のチームに教えるスカウティング的な役割も果たすことになるだろうし、非常に厄介な存在だ」との声が上がっている。

金メダル獲得を目指す稲葉ジャパンの前に「オースティンの壁」が立ちはだかることになるかもしれない。

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