LG化学がCNT(カーボナノチューブ)生産能力を拡張 国内外の電池メーカーに供給

LG化学が2023年までに世界最大のカーボンナノチューブ(CNT)の生産能力を確保し、電気自動車バッテリー素材の需要を取り込むとの観測が出ている。 CNTは、電気自動車バッテリーの原料である正極材の核心素材であり、電池内部の電子の移動を助ける。

13日、韓国の有力専門紙ETNEWSは、業界取材をもとに、「LG化学は今年の下半期、麗水(ヨス)でCNT第 3工場の建設に着手する」とし、「CNT 3工場の生産能力は年間1200トンである。今回の新設のための投資額は650億ウォン(約62億円)と推算される」と報じた。

麗水CNT工場は、単一の生産能力基準で、世界最大規模となる。現在稼動している第1工場の生産能力は年間500トン、第2工場は1200トン規模だ。 LG化学は第3工場の建設により、CNTの生産量を年間2900トンに拡大し、国内外の電池メーカーに正極材用素材として供給する予定であると同紙は伝える。

LG化学が生産する「MW CNT」は、LG化学の子会社であり、中国CATLと世界シェアトップを争うLGエナジーソリューションのバッテリー原料として最も使用されている。

ETNEWSは、LG化学のMW CNTが注目される理由として、「価格競争力を備えているからである」とし、「LG化学のMW CNTは正極材内伝導度を10%以上向上させながらトン当たりの価格はSW CNT比はるかに安く、電池の製造コストを下げることができる」と伝えている。

一方、LG化学から昨年12月に分社化されたLGエナジーソリューションは、近い時期のIPO(株式公開)が予定されており、電気自動車需要への期待を背景に、最大10兆円の企業価値が見込まれている。

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(写真:LG化学提供)

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