韓国が青年支援策を強化 貧困層に最大104万円の貯蓄支援など(韓国版ニューディール2.0政策で発表)

韓国政府は14日、1年前に発表した「韓国版ニューディール」政策の後継となる「韓国版ニューディール2.0」を発表した。

2025年までの累積総事業費を220兆ウォン(約21兆円)に拡大し、様々な支援を行うが、なかでもセーフティネットの強化や青年サポートなどを含た「ヒューマン・ニューディール」が注目される。

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ホン・ナムギ副首相(兼企画財政部長官)は同政策の発表において、「コロナ時期に比較的ダメージが大きかった若年層に、継続的な支援が必要だ」とし、「青年雇用に劣らず、青年の資産形成や住宅も重要だ」と説明した。

(画像:青年層へのヒューマン・ニューディールについて説明するホン・ナムギ副首相=韓国大統領府公式動画キャプション)

今回の韓国版ニューディール2.0に含まれた青年政策は、資産形成と住宅安定、教育費の負担軽減などの内容が盛り込まれた。政府はまず、19〜34歳の青年たちの所得水準に応じて貯蓄額の1〜3倍をマッチングする内容の「青年未来貯蓄口座プログラム」を提供することにした。年収2,200万ウォン(約210万円)、基準中位所得100%以下の青年が対象となる。青年が3年間で月10万ウォン(約9,600円)ずつ、計360万ウォン(約35万円)を貯蓄すれば、政府が最大1,080万ウォン(約104万円)を支援し、計1,440万ウォン(約138万円)を受け取ることができる。

総給与3,600万ウォン(約346万円)以下の青年は、年4%ポイントの貯蓄奨励利子をサポートする「青年希望積立プログラム」が提供される。 2年間で1,200万ウォン(約115万円)を貯蓄すれば、市中金利に加え貯蓄奨励利子36万ウォン(約3.5万円)が与えられる。総給与5,000万ウォン(約480万円)以下の青年を対象に、ファンド納入額の40%を所得控除する「青年型所得控除長期ファンド」、軍将兵の貯蓄額と政府が3:1の割合で拠出し社会復帰時に最大1,000万ウォン(約96万円)を受領できる「将兵明日準備積立金」なども青年資産形成政策として推進される。

政府はまた、青年専用の保証付き家賃融資の基準を年収2,000万ウォンから5,000万ウォン以下にまで引き上げ、中小企業で働く青年向けの保証ローン(金利年1.2%)の期限を2023年末まで延長するなど、青年の住居環境を支援する。

韓国メディアでは、来年春の大統領選挙を前に、与党・韓国政府が青年支持層を固めようとしているなどの見方が出ている。

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(写真:韓国大統領府提供)

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