新潟東警察署が大光銀行河渡支店(新潟市東区)で強盗への対応と特殊詐欺被害の防止訓練

強盗への対応訓練では、強盗役の警察官が行員の女性を人質にとる場面も

新潟東警察署と株式会社大光銀行(本店:新潟県長岡市)は14日、大光銀行河渡支店(新潟市東区)で、同支店の行員を対象とした、強盗への対応訓練と特殊詐欺被害の防止訓練を実施した。

新潟県内では2017年、当時の第四銀行小須戸支店(新潟市秋葉区)へ刃物を持った男が侵入し行員に現金を要求する事件が発生して以来、金融機関を狙った強盗事件は発生していないものの、年に1件程度の頻度で深夜営業のコンビニエンスストアやドラッグストアなどを対象とした事件は発生していることから、大光銀行では警察と連携した訓練を定期的に実施している。

訓練の様子

この日は、新潟東警察署の警察官1人が強盗に扮し、行員約15人がそれに対応する訓練を実施した。強盗役の警察官が客を装って「ATMの調子が悪い」と行員の女性を呼び出すと、ナイフで脅し人質にとるなど、当初行員たちには伝えていなかった行動もとって不測の自体への対応も促した。

訓練後、人質役となった行員の女性は「以前にも訓練で人質役となったことがあるが、2回目でもどう行動したらよいのか分からなくなってしまった」と率直な感想を話していた。また、窓口で対応したほかの行員の女性も「『手を上げろ!』と言われてしまうと、通報ボタンを押すことを忘れて従ってしまう」と咄嗟の非常時への対応の難しさを語っていた。

一方、新潟東警察署生活安全課の関根太郎係長は「今回の訓練のような大声を出して脅すタイプの強盗以外にも、お年寄りのような見た目の人が凶器をもって金銭を要求したりするケースがある。店内に入ってくる人をよく注視して、明確に危険だと分からなくても、危害を加えられそうな場合は遠慮なく通報ボタンを押してほしい」と呼びかけていた。

また強盗役を務めた警察官は、現金を要求中に自らの視野が狭くなって周囲に気が向かなかったことを回想し「犯人が見ていないうちに通報ボタンを押すこともできる」と自らの知見をもとに通報の重要性と機会について話していた。

特殊詐欺被害の防止訓練の様子

特殊詐欺で騙され、送金しようとしている人を止める訓練も実施。近年詐欺の手口が複雑化・巧妙化していることから関根係長は「騙されている本人が了承しなくても通報し、警察官の応援を求めてほしい。送金の際に対応する金融機関の皆さんが、犯罪を防ぐための最後の砦となる」と話していた。

訓練後、金融機関も含む店舗での強盗への対応法について関根係長へ話を聞くと「新型コロナウイルスの影響ですべての人がマスクをつけていて、怪しい人への対処が遅れやすい。店へ入る人の挙動へ注意するとともに、事件性の有る無しに関わらず、日常でない事件に直面した場合はすぐに通報することが大切」と早期の通報の重要性を語っていた。

訓練を実施した大光銀行河渡支店(新潟市東区)

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