2022年のライダー構成は「あらゆる可能性がある。他の選手権からも関心が寄せられている」とペトロナス・ヤマハSRTのラザリ代表

 7月14日、ロードレース世界選手権のMotoGPクラスに参戦しているペトロナス・ヤマハSRTは、プレスリリースを発行してチーム代表のラズラン・ラザリのインタビューを公開した。そのなかで、2022年のライダーラインアップの発表時期について語っている。

 今季、ペトロナス・ヤマハSRTはフランコ・モルビデリとバレンティーノ・ロッシのコンビで最高峰クラスに参戦。モルビデリは昨年の7月に2022年まで2年契約に合意しており、ロッシは昨年の9月に1年契約を締結したため、現在モルビデリのみ継続参戦することが決定している状態だ。

2021MotoGP:フランコ・モルビデリ(ペトロナス・ヤマハSRT)とラズラン・ラザリ代表

 しかし、ヤマハのファクトリーチームであるモンスターエナジー・ヤマハMotoGPに所属するマーベリック・ビニャーレスが今季限りでヤマハから離脱することを6月末に発表。モルビデリがファクトリーチームに昇格して、成績が低迷しているロッシが継続参戦しない場合は、ペトロナス・ヤマハSRTのシートがふたつ空く可能性が出てきた。

 MotoGPライダーズ市場、現在のチームのポジション、2022年のフルラインアップの発表はいつ頃になるかという質問にラザリ代表は以下のように答えている。

「来年については、バレンティーノとヤマハの決定を待っていることを忘れてはいけない。いずれにしても、この時期にはいつものことだが、MotoGPライダー市場に関する最新のニュースは、確かにあらゆる可能性を開いた!」

「これはヤマハと我々、そして現在のMotoGPライダーたちとの間で継続的に行われている議論であり、何かを急いで発表することはない」

2021MotoGP:バレンティーノ・ロッシ(ペトロナス・ヤマハSRT)

「多くのライダー、そして現在、ロードレース世界選手権に参戦していないライダーからも、我々のチームに参加したいという関心が寄せられている。我々には時間があり、選択する余裕があると信じている。ヤマハが提供できるパッケージや、若いライダーが我々のチームの一員として何ができるかは誰もが知っている」

「我々は、若いライダーに夢を実現する機会を提供するための体制とパッケージを持っている。フランコ・モルビデリとファビオ・クアルタラロがそうだったように、すべての関心は、若いライダーを評価するために時間をかける。次の数レースが終わるまで、ラインナップの発表はない」

 近年はロードレース世界選手権のMoto2クラス、Moto3クラスからMotoGPクラスにステップアップするライダーが多いが、第9戦オランダGPでは怪我で欠場したモルビデリの代役としてスーパーバイク世界選手権(SBK)に参戦しているギャレット・ガーロフを起用した。

 また、ラザリ代表が「ロードレース世界選手権に参戦していないライダーからも、我々のチームに参加したいという関心が寄せられている」と語るようにガーロフがSBKからMotoGPに戦いの場を移す可能性がある。

MotoGPにはペトロナス・ヤマハSRT、Moto2&Moto3にはペトロナス・スプリンタ・レーシングとして参戦

 そして、ラザリはMoto2とMoto3クラスのライダーラインアップについても以下のように語っている。

「まず第一に、ライダーの状況を分析して、議論しなければならない。MotoGPと似ていて、多くの若いライダーが我々のチームに入りたがっている。FIM CEVレプソルインターナショナル選手権のような選手権に参加している若いライダーにとっては、道筋がはっきりしていて完璧だ」

「マレーシアのチームとして、もちろん、有能で競争力のあるマレーシア人ライダーにMoto3またはMoto2のシートを割り当てることをできる限り優先したいと考えている。選択肢は豊富にあるので、決定を急ぐ必要はないが、もしかしたらオーストリアGPやイギリスGPの期間中に何らかの発表があるかもしれない」

 2022年のライダーラインアップの鍵を握ることになるペトロナス・ヤマハSRT。モルビデリがどちらのチームから参戦するのか、ロッシが継続参戦するのか、若手ライダーが2枠ともに獲得するのかサマーブレイク明けの発表を待ちたい。

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