勝率5割、4位で前半戦ターンのソフトバンク 工藤監督が思い描く後半戦の“プラス要素”

ソフトバンク・工藤公康監督【写真:藤浦一都】

前半戦ラストゲームに敗れ、37勝37敗14分で折り返したソフトバンク

■楽天 4ー2 ソフトバンク(14日・PayPayドーム)

ソフトバンクは14日、本拠地PayPayドームで行われた楽天戦に2-4で敗れて、2連敗で前半戦を終えた。先発の東浜が序盤に4点を失うと、打線の反撃も松田の2ランの2点だけ。88試合を終えて、37勝37敗14分の5割で前半戦を折り返すことになった。

内容に乏しい敗戦だった。先発の東浜は初回1死から鈴木大へ四球を与えると、浅村、島内、岡島に3連打を浴びるなど、いきなり3失点。3回には島内にソロを浴びて4点目を奪われた。

打線は楽天先発の岸の前に沈黙。5回に松田が9年連続2桁本塁打となる10号2ランを放って2点を返したが、反撃はこれだけ。8回には1死満塁と一打同点のチャンスを作ったが、明石、今宮が連続三振に倒れ、追い上げムードは萎んだ。

開幕から苦しい戦いを強いられているソフトバンク。一時は借金生活に突入するなど、4年連続で日本一となっている常勝軍団としての強さをなかなか発揮できずにいる。

前半戦の戦いを総括した工藤公康監督は「怪我人がいたり、体調不良での長期離脱がいたりという中ですけど、若い人たちが出てきたり、そういう意味ではチームとしては、ここまで4位ということにはなりましたけど、いない選手の分も頑張ろうという思いでよく頑張ってきてくれたと思います」と選手たちの奮闘ぶりを労った。

前向く工藤監督「何も悲観する必要はないと、僕自身は思っている」

そして、指揮官は前を向き、こう語った。「チームとしていい時も悪い時もある。パ・リーグには今、抜け出たチームがないということは、後半戦次第でどうにでも変わってくると思います。その中から上を目指す」。

今季は大黒柱として期待していた千賀、東浜の二本柱が開幕に間に合わずに出遅れ。さらに、シーズン中には守護神の森唯斗や、打線の核であるグラシアル、周東佑京らが怪我で離脱した。復帰した千賀がすぐに怪我で戦線を離れ、さらに、モイネロ、デスパイネは五輪予選のためにチームを離れた。

エース、守護神、助っ人を欠く“飛車角金銀落ち”の状態での戦いを強いられ、チーム状態はなかなか上向かなかった。あえて“プラス要素”を挙げれば、これだけの苦戦を強いられながらも、上位との差が広がっていないこと。2018年以来のBクラスターンとなりながらも、首位のオリックスとは4ゲーム差。まだまだ勝負は分からない状況にある。

工藤監督も「十分逆転できるし、勝てるゲーム差だと思っている。何も悲観する必要はないと、僕自身は思っている」と語る。今季はオールスター後に、東京五輪による中断期間もある。ペナントレースの再開は1か月も先になる。この期間で怪我人ら離脱者の復帰できる可能性もあり、後半戦はより戦力が整った状態で迎えられるようになる。

「怪我人が帰ってこれば、雰囲気も変わったりしてくるのかな、と思う」と指揮官。元来、ホークスはシーズンの後半戦に強いチームだ。戦力さえ整いさえすれば、追い上げ、ひっくり返すことができる。そんなプランが、指揮官の頭の中にはあるのかもしれない。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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