明日から後半戦スタート トレードなどによる勢力図の変化に注目

フューチャーズ・ゲーム、ドラフト、ホームラン・ダービー、オールスター・ゲームなどイベント盛りだくさんのオールスター・ウィークが終了したメジャーリーグは日本時間7月16日から後半戦に突入する。同31日のトレード・デッドラインに向けて多くのトレードが行われていくことになるが、トレード以外にも故障者の復帰やプロスペクト(若手有望株)のメジャー昇格などによって勢力図が一変する可能性がある。後半戦は各チームの勢力図の変化に注目だ。

7月後半は例年、最も盛んにトレードが行われる時期である。ポストシーズン進出の可能性が低いチームはプロスペクトを獲得するために主力選手を放出。一方、ポストシーズン進出やワールドシリーズ制覇を目指すチームはチームの将来を多少犠牲にしてでも現有戦力のグレードアップを図る。メジャーリーグ公式サイトでは「今月中にトレードされる可能性があるオールスター・ゲーム出場選手」としてクリス・ブライアント(カブス)、ネルソン・クルーズ(ツインズ)、エドゥアルド・エスコバー(ダイヤモンドバックス)、アダム・フレイジャー(パイレーツ)、ジョーイ・ギャロ(レンジャーズ)、カイル・ギブソン(レンジャーズ)、クレイグ・キンブレル(カブス)の7人をピックアップ。彼らの獲得に成功して戦力を大幅にアップさせるのはどのチームだろうか。

また、現在故障者リストしている主力選手の戦列復帰もチームの戦力を向上させる要因となる。メジャーリーグ公式サイトでは「ディファレンス・メーカー(=いるかいないかで結果に大きな違いを生む重要な戦力)になる可能性がある故障中のスター選手」としてシェーン・ビーバー(インディアンス)、アレックス・ブレグマン(アストロズ)、カルロス・カラスコ(メッツ)、ノア・シンダーガード(メッツ)、ジャック・フラハティ(カージナルス)、エロイ・ヒメネス(ホワイトソックス)、ルイス・ロバート(ホワイトソックス)、クリス・セール(レッドソックス)、コリー・シーガー(ドジャース)、スティーブン・ストラスバーグ(ナショナルズ)、マイク・トラウト(エンゼルス)の11人をピックアップ。彼らの戦列復帰と復帰後の活躍が勢力図を一変させることになるかもしれない。

そして、プロスペクトのメジャー昇格も見逃せないポイントだ。マイナーで好成績を残していたプロスペクトが昇格後すぐに大活躍することによってチームの起爆剤となった例は過去にも少なくない。日本時間7月15日にはレッドソックスのジャレン・デュランが後半戦最初のカードであるヤンキース4連戦からメジャーに昇格する見込みであることが明らかになった。現在24歳のデュランは今季マイナーのAAA級で46試合に出場して打率.270、15本塁打、32打点、12盗塁、OPS.926の活躍。東京五輪の米大陸予選ではアメリカ代表の一員として五輪出場権獲得にも貢献した。レッドソックスは今季、正二塁手に予定されていたエンリケ・ヘルナンデスを中堅手として起用するケースが目立っていたが、デュランがスムーズにメジャーに適応できれば、正中堅手にデュランを固定し、ヘルナンデスをチームの弱点である二塁に固定することが可能になり、ア・リーグ東部地区の首位に立つレッドソックスの戦力はさらに向上するに違いない。

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